… … …(記事全文2,816文字)「黄金街」(三田完著・1650円・講談社)
悲しくてやりきれない人生に、喝采を・・・。
大事な人を忽然となくし、いまはわずか三坪のバー〈カリフラワー〉を営む渚。馴染みのギター流しの老人が入院したと聞き、にわかに思いは揺れる。
十日前、冬眠中の獣のようにカウンターに座っていたのを、きつい言葉で追い出していた。(黄金街)
不器用で、孤独で、そこはかとない。でも、必ず寄り添う誰かがいる。
世界の片隅で声を上げる人々の、切なくも温かい人生の一瞬を切りとる珠玉の六篇。
「人の業」を綴りつづける作家の、ひそやかで一途な思いが結ばれる--
お馴染み、三田さんの傑作佳品のあれこれです。
うーん、こうして小説を読むと、「小説書かなくちゃ」と衝動的に思ってしまいます。
衝動がなければエネルギーがわきません。なにかの拍子、なにかの勢いがなければ、私のような人間は動けません。
実は・・・ホラー小説は何冊かものしてそこそこ売れてるんです。もち、ペンネームは違います。
経営書、ビジネス書、中国古典等々は本名で書いてますけどね。恥ずかしくて親から頂いた名前をさらすことはできません。
さて、本書に収録されているのは、「ファインプレー」「 黄金街(ゴールデン街)」「パタパタ小父さん」「しあわせの鐘」「通夜噺」「青い鳥」・・・の6篇です。
編集者は「黄金街」を気に入ってるのかもしれません。ま、佳品です。けど、私のお勧めは「ファインプレイ」「通夜噺」ですね。圧倒的に・・・。
落語でも与太郎話より人情噺が好きなのも好みを反映されてるような気がします。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)