… … …(記事全文2,171文字)「あしたのこころだ 小沢昭一的風景を巡る 前編」(三田完著・1760円・文藝春秋)
俳優であり作家でもあった鬼才の素顔とは?
ラジオ番組「小沢昭一的こころ」の筋書(台本)作家を務めた著者が、小沢昭一の葬儀の場からさかのぼり、その芸と人間性に迫る好著。
俳号は変哲(へんてつ)、昭和ヒトケタ戦中派。蒲田で育った少年期、ハモニカ吹かせりゃ名人で、お医者ごっこもお手のもの。早稲田でオチケンを創設し、新劇役者を志す。映画や舞台に大忙しで、不惑を過ぎてはこの国の放浪藝を探求し、ラジオじゃ「あしたのこころだ」と叫びつづけて40年。
俳優、エッセイスト、俳人、ラジオのパーソナリティと多彩な才能を発揮した〝異能の人〟小沢昭一について、ラジオ番組「小沢昭一的こころ」の筋書作家をつとめた著者が記した一冊。
向島、下諏訪温泉、蒲田、亀戸天神など、小沢昭一が愛した馴染みの場所を訪ね、その足跡をたどる。
「小沢さんがおよそ40年間続けたラジオ番組で、私が筋書き、台本作家として立ち会ったのは2012年 9月3日、直後、小沢さんは体調を崩し翌週以降の録音は中止。つまり、私が小沢さんの最後の録音台本を書いたことになります」
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)