… … …(記事全文2,847文字)「怖い仏教 後編」(平野純著・880円・小学館)
ブッダは2500年前のインドに生まれた異端の宗教者です。ヒンズー教から見て異質要素をたくさん持っていました。
この前お話したように、死体置き場で暮らし、死体を観察し、人の一生も同じ。墓場に捨てられた死体がカラスに食べられ、ハゲタカに食べられ、犬やジャッカルに食べられ、湧いたウジ虫に喰らわれていく。骨が月日を経て白くほら貝の殻のように変色している様子を観察する。
ブッダの不浄観の修行がこそ教団の売りになっていたのです。
死体が腐敗しやがて骨になるまでを「九相図」といいます。松虫寺として知られる京都安楽寺に伝わる小野小町の九相図は有名です。
私が体験したのは京都西福寺の「檀林皇后九相図」です。嵯峨天皇の奥さんだった方で仏教の熱心な保護者としても知られていました。
「我、死なば野に捨てて痩せたる犬の腹を満たせよ増やせよ」
いかにもブッダの信仰者らしい言葉が伝わっています。
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