… … …(記事全文3,437文字)「運は遺伝する: 行動遺伝学が教える「成功法則」 前編」(橘玲・安藤寿康著・1078円・NHK出版)
知能格差社会の真実から遺伝的な適性の見つけ方まで・・・。
知性、能力、性格、そして運まで――行動遺伝学が明らかにしたのは、人間社会のあらゆる面を「遺伝の影」が覆っており、それから誰も逃れられないということだった。
私たちは、残酷すぎる世界の真実といかに向き合うべきか。理不尽を乗り越え、成功を手にするための方法は存在するのか。
ベストセラー作家と、行動遺伝学の第一人者が徹底的に論じる決定版・・・とのことです。
ダーウィンは「種の起源」で進化論を唱えましたが、その仕組みが完全に解明されたのは、ワトソンとクリックが1950年代に「DNAの二重螺旋構造」を発見したときからです。
アデニン、グアニン、シトシン、チミン・・・これらたった4つの遺伝子で記述されるアルゴリズムによって驚くべき秘密が明らかにされました。
「ヒト以外の生き物を遺伝で論じるのは許されるが、人間の能力や性格、精神疾患などに少しでも遺伝の影響があると示唆することは、ナチスと同じ遺伝決定論として徹底的に批判され、学者としては社会的存在を抹消されてしまう」
70年代から30年近く続いた社会正義。自然科学者がヒトも進化の産物だ、と否定するのは困難で、90年代になると大量のエビデンスを社会生物学者や進化心理学者から突きつけられて対抗できず、ハーバードのリベラル派はただのイデオロギーとなるしかありませんでした。
事実から逃れることはできないのです。人生すべてに遺伝が関わっています。
もちろん「運」も例外ではありません。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)