… … …(記事全文3,150文字)「騙されないための中東入門 後編」(高山正之・飯山陽著・1650円・ビジネス社)
イラン大統領選挙が2021年6月に行われました。
投票率は過去最低48. 1%。わが国の地方選挙並みの低さ。
国民は宗教政権にうんざり。最高指導者が選んだ人々がまわりまわって最高指導者を選ぶ。そこには民主主義などない。
だから無関心。
一票の重さについてわが国も大騒ぎしてますが、そもそも、その一票を投じる「受け皿」がない。票が重たいか軽いかなんぞ形式的なことにすぎず、こんなもんで良かったら売りますよ、という感覚。これが庶民の本音・・・。
「アラブの春」は中東民主化運動だ、と勘違いしてる人が少なくありません。
チュニジアでは24年間続いたベン・アリ政権、エジプトでは30年間続いたムバラク政権、リビアでは43年間続いたカダフィ政権が・・・それぞれあっという間に崩壊しました。
仕掛け人はネオコン。10年以上たっても民主化と呼べる状況ではありません。「アラブの春」ではなく氷河期です。混乱も混乱、大混乱。独裁者のいた時代の方がはるかに安定していました。そして自由でした。
「アラブの春」のきっかけは、女性警官が若い男性を殴ったところから・・・女性が警官になるとか、女が男をひっぱたくとか、イスラム世界では絶対にありえないことがたくさんありました。チュニジアがいかにまともな国だったのかがわかります。
けど、そんな事件が政権を倒してしまいました。
大きな役割を果たしたのは Google SNS です。オバマ政権で国務長官だったコンドリーサ・ライスの工作で1カ月で政権を転覆させてしまった。燃えそうなところに火をつけて回った。ライスは放火魔です。「アラブの春」はエジプト、リビアへと飛び火して北アフリカはガタガタになります。
米国が狙った通りです。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)