… … …(記事全文2,575文字)「残像」(伊岡瞬著・1056円・KADOKAWA)
訪れたアパートの住人は、全員“元犯罪者”だった。
心を抉る衝撃サスペンス。累計50万部突破『代償』の著者渾身。角川文庫75周年記念、文庫書き下ろし!・・・とのこと。
嵌ってしまいました。全冊買い込んでしまいました。あとは読むだけ。次から次へと読むだけです。楽しみ・・・。
浪人生の堀部一平が主人公。はっきり言って、こんなバカとは口もききたくない。間抜けなお人好し。じれったくて見てられない。そういうタイプ。
そんなところを見抜かれたのだ、と思います。
そもそも受験に失敗したのも、試験日に赤の他人の年寄りを助けようと手を出して利き手を怪我してペンがもてない。なにより試験に間に合わない。
ドジ。そうそう、ドジ。ドジだから奇妙な事件に巻き込まれる・・・。君子危うきに近寄らず。少しは計算できる人間なら危険センサーが働くもの。鈍感。
ここまで言うと、踏んだり蹴ったりですが、そういうキャラのようです。
バイト先で倒れた年寄り=葛城(かつらぎ)に付き添い自宅アパートを訪れた。そこでは、晴子、夏樹、多恵という年代もバラバラ女3人に、小学生の冬馬が共同生活。他人同士の生活を奇妙に感じた一平は冬馬から、女性3人ともに前科持ちと聞きます。ここらへんで逃げ出すのが普通。けど、どんどん巻き込まれていきます。
一方、政治家の息子・吉井恭一は、執拗に送られてくる、過去を断罪する写真に怒り、焦り、自暴自棄にイライラの毎日。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)