… … …(記事全文2,241文字)「京都まみれ 前編」(井上章一著・891円・朝日新聞出版)
京都と東京はどちらが格上か。首都東京の圧勝だろうと著者は本書を書きだした。
ところが……各地に残る不可解な地名から「とらや」の羊羹まで、数々の物的証拠が千年の古都のあなどりがたさを告げる。
ほこらしげな京都人たちに、もう一太刀、あびせておかねば。
「東京ぎらい」という本を書かないか・・・声をかけられたとか。
2015年に「京都ぎらい」を出版。割合評判になったから、次は「東京ぎらい」だというわけです。
「柳の下にドジョウが7匹」という世界が出版ビジネスですから、そういう依頼もよくわかります。
とくに関西在住の著者はきっと東京に敵害心があるはずだ・・・そういう思い込み。
けど、そんな気持ちはさらさらない。で、断った。
「東京をよく知らない」
「憧れはあっても文句はない」
「東京をあしざまにいう京都人は大勢いる。あずまくだり、という言葉もそうだ」
「京都こそ本当の都。東京は仮の住まい。必ず天皇上皇は京都に戻ってきていただける」
そう思い込んでる「京都人」は少なくないとか。たしかに・・・。京都には4年しか住んでない私ですらあちこちでよく聞いた話です。
著者が生まれたのは花園。育ったのは嵯峨。だから「洛中」の人々と価値観は分かち 合えないし分かち合いたくない、とのこと。
洛中・・・わかりますか? 私、洛中住まいでした。ですから、よく芸能人が京都出身とか言う時、「伏見区」「宇治」でよーゆーわー、と「京都人」のような反応をついついしてしまっていますから、モノホンの「京都人」ならどう反応してるのか・・・。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)