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中島孝志(作家・コンサルタント etc)

中島孝志

「勝海舟と幕末外交」(上垣外憲一著・中央公論新社・950円)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━             年3000冊読破の読書王! 中島孝志の読む!通勤快読 宅配便 2015年11月19日 ウェブで読む:http://foomii.com/00080/2015111900000029861 EPUBダウンロード:http://foomii.com/00080-30483.epub ───────────────────────────────────  幕末、日本近海ではイギリスとロシアが激突していました。クリミア戦争ではカムチャツカ半島も戦場になり、アロー号戦争では清国と英仏の講和に介入したロシアが広大な領土をかすめ取りました。  「日本の味方はどこの国か?」を巡って幕府内では親英、親米、親露の各派が対立していまし。  ついにロシアは日本に触手を伸ばし、対馬を占領します。軍事基地を築きはじめます。植民地化の危機が迫るなか、独自の知見と人脈を持つ勝海舟が動gます。  1861年(万延2年・文久元年)に起こったロシア船ポサドニック号の対馬占拠事件は、幕府も薩長も巻き込んで大きな問題をクローズアップしています。  勝海舟が『氷川清話』のなかで外交成果の1つとして、「イギリスとロシアのバランス・オブ・パワーを利用して武力を用いることなくロシア艦を対馬から追い払った」という「法螺話」をしています。ところが、これは9割方事実なんです。  イギリスとロシアが対馬をめぐって争奪戦。「40年後の日露戦争を予見していた」というわけではありませんよ。というのは、ぎりぎりまで日本はロシアと本気で戦おうとは思いませんでしたし、イギリスもロシア相手に戦争して、負けたら困るわけです。あくまでも、抑止力として存在すること。これでいいんです、日本はね。
… … …(記事全文2,958文字)
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