… … …(記事全文2,452文字)「行きつ戻りつ死ぬまで思案中」(垣谷美雨著・1760円・双葉社)
人生はあっという間と言うけれど、走馬灯に映し出される色とりどりの絵のごとく、たくさんの喜怒哀楽があり、これまで生きてきた年月は、実は長いのだと、このエッセイは教えてくれる。
70篇どれも「よくぞ言ってくれた!」と思わず膝を打つこと必至!
垣谷節が炸裂する著者初のエッセイ集。
「お金ならいくらでもあるわ」
初対面にもかかわらずそう言う人に遭遇。「2泊3日の女性限定一人旅・北海道ツアー」に参加した時のこと。
微塵も自慢げではなく事実を語ったまで・・・といった風。
途中、さくらんぼワンパック500円。大振りの入れ物だったから割安感たっぷり。ほかのツアー客も同じ思いで一瞬立ち止まる。でも、「やっぱり無理」と渋々通り過ぎる。なんたって一人で食べるにはボリューミー。旅の途中というか始まったばかりで土産にもならない。
バスに戻ってみると、例のお金たっぷり女の膝の上には2パックのさくらんぼ。
「果物大好きなの。それにお金ならいくらでもあるわ」
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