… … …(記事全文2,429文字)「神よ憐れみたまえ」(小池真理子著・1300円・新潮社)
ラストの告白に衝撃、落涙必至!。10年の歳月をかけて紡がれた別離と再生。
わたしの人生は何度も塗り変えられた。いくつもの死と性とともに──。
昭和38年11月、三井三池炭鉱の爆発と国鉄の事故が同じ日に発生し、「魔の土曜日」と言われた夜、12歳の黒沢百々子は何者かに両親を惨殺された。
母ゆずりの美貌で、音楽家をめざしていたが、事件が行く手に重く立ちはだかる。黒く歪んだ悪夢、移ろいゆく歳月のなかで運命の歯車が交錯し、動き出す……。
著者畢生の書下ろし長篇小説。
先日、今回こそホント!「歴史のダイヤグラム【2号車】 鉄路に刻まれた、この国のドラマ 原武史著・979円・朝日新聞出版」の中で少しだけ触れています。
63年11月9日、横浜で起こった鉄道事故が「鶴見事故」。161人が死亡、戦後発足した国鉄で最悪の鉄道事故でした。小池真理子さんの長編小説『神よ、憐れみたまえ』では、1963年11月9日という節から始まります。まさに鶴見事故が起こった日です。
こんな具合にね。
「神よ、憐れみたまえ」とは、そのまんま、「神様、私を憐れんでください」という意味ですが、キリスト教の祈りの言葉で、「Kyrie eleison(キリエ・エレイソン)」というギリシャ語の
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