… … …(記事全文3,552文字)「中国「戦狼外交」と闘う 後編」(山上信吾著・1100円・文藝春秋)
著者にとって、豪州大使として赴任したキャンベラでは、対中国との歴史戦第一ラウンドだったようです。
「日本大使は歴史をよく知らないようだ。第二次大戦中、日本は豪州を攻撃し、ダーウィンを爆撃し、豪州人を殺害し、豪州の捕虜に受け入れがたい扱いをした。日本政府は謝罪もせず間違いを認めない。あなた方を脅かす者は再び脅かすかもしれない」
歴史カードの政治的利用は中国の得意技です。不利なことがあると、こういう話をいきなり持ち出しても有利に立とうとする。聞き手が欧米諸国の場合には、戦争中、中国が連合国側に立っていたことを強調する。米英豪など、戦後わが国と和解を達成し、価値と戦略的利益を共有してきた国々の関係にくさびを打ち込もうとするのです。
「激しい言葉を使って反発したこと自体、あなたの講演が成功だった証拠だよ」
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