… … …(記事全文3,394文字)「間違いだらけの家族観 儒教で読み解く老い・父性・夫婦・死 後編」(加地伸行著・1210円・産経新聞出版)
「論語・李氏篇」に、孔子の弟子たる陳亢という人物が、孔子の子である伯魚に質問します。
孔子と伯魚は実の親子で日常生活を共にしていますから、なにか特別な教えを受けているのではないか、と思ったんでしょう。
「いやそんなことはありません。父が一人でいるとき、自分がそばを通ったとき、詩を学んだか、と聞かれました。別のときには、礼を学んだか、と聞かれました。それだけです」
この話を聞いて陳亢は喜んで、「この日3つのことを学んだ」といいます。まず詩を学ぶこと、礼を学ぶこと、そして君子はわが子を特別扱いしない、ということ。
伯魚は庭を通ったときに教えられた。そこから「庭における教え=庭訓」という言葉が生まれたといいます。
儒教では父と子の務めが要求されます。父は子を慈しみ、子は父に孝をする。儒教でいちばん大切な徳目は「孝」です。
西太后に対して、民のために革命しなくちゃと考えた光緒帝でしたが、西太后を失脚させることはできませんでした。実の子として育てられた光緒帝には「お父上(と呼ばせていました)」を廃することなどできるはずがありません。「孝」に背くからです。
私の名前にしても、もともと、「孝」一字のはずでしたが、私を取り上げたお医者さんが、「虎志」という名前で、男の子が生まれたら「志」をつけてくれないか、とむやみやたらに持ち掛
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)