… … …(記事全文2,300文字)「家族じまい」(桜木紫乃著・748円・集英社)
「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」
親の終活、二世帯同居、老老介護──。大人の諦観と慈愛に満ちた傑作長編。
「ラブレス」の著者桜木紫乃さんの本です。
「どうやったらこんな一行が書けるんだろう」と唸る文章が、随所に、あくまでさりげなく配される。文字通りの「文芸」。小説の素晴らしさとはこういうことかと、励まされ、胸が熱くなった。──村山由佳さんの評です。第15回中央公論文芸賞受賞作。
子育てに一区切りついた智代に、突然、妹乃理から電話。
「ママがね、ぼけちゃったみたい」
新しい商売に手を出しては借金を重ね、家族を振り回してきた横暴な父。そんな夫に苦労しながらともに歳を重ね、今は記憶を失くしつつある母・サトミ。親の老いに直面する姉妹とその家族。
「墓じまい」があるなら「家族じまい」もあるんじゃないか・・・と担当編集者。「いいタイトルだな」と思ってイメージが膨らんだとか。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)