… … …(記事全文3,049文字)「異常気象が変えた人類の歴史 後編」(田家康著・935円・日本経済新聞出版)
中国では10世紀を境に文字の変化が起こったようですね。
食べるは「食」から「喫(チー)」、飲むは「飲」から「渇」、犬は「犬」から「狗」。目は「目」から「眼」へと変わっていきました。
日本の漢字輸入は主に遣唐使の時代。つまり、9世紀まで中国で使われていた文字が現在まで残っています。
中国から見ますと、日本では古い文字を長く使い続けている、ということになります。たとえば、日本の茶文化は11世紀の宋の時代に伝わってきてます。「喫茶店」という言葉にその名残がありますよね。
後漢から続いていた権門貴族が晩唐から五胡十六国時代に完全に衰えます。行政官を登用する制度として「科挙」が完成したのが宋の時代です。
中国は歴史的に農業国家でした。対して、宋は商品経済を発展させる政策を積極的に導入した結果、都市は繁栄していきます。商工業が発展したのです。
隋に始まり、宋で完成し、清朝末期に消えてしまいます。
わが国は宦官、纏足、そしてこの科挙は導入しませんでした。正解ですね。
ところが、科挙ほどではありませんが、似たような制度として「国家公務員上級試験」を明治時代に始めてしまいます。試験だけですべて決める。おかげでコネだとか氏育ちで優遇されることはなくなりましたが、それが必ずしもいいことだとは言えないのが難しい処ですね。
二代目三代目ばかりの政治家業界。中に飛びこめるのはこういう試験で認められた人々です。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)