… … …(記事全文3,946文字)「誰も書かなかった昭和スターの素顔 前編」(酒井政利著・748円・宝島社)
先ごろ。亡くなられた酒井さんの本です。とても面白くて2回で終わるかどうか・・・。
伝説のアイドル・山口百恵さんをはじめ、南沙織さん、キャンディーズ、松田聖子さんら数百人の芸能スターをプロデュースした酒井政利さん。
記憶に残るメロディと国民に愛された歌謡曲はどのようにして生まれたのか、昭和芸能史の空白を埋める秘話と新事実。
時代の心を映し出す「鏡」となった歌い手たちの実像と生きざまが、「黄金の時代」の記憶を再び喚起させる。
1970年代から80年代にかけ、日本の芸能界に現出した爛熟の「黄金時代」。記憶に残る昭和の国民的アイドルたちを、多数世に送り出した名プロデューサーが、スターたちの知られざる実像と「時代」の本質を語る。戦後最大のアイドル「山口百恵」引退の真実、郷ひろみさんの愛と結婚、そして日本人女性の生き方に大きな影響を与えた松田聖子さん――大衆の心象風景を映す「鏡」であり続けた彼らの肉声と秘話は、戦後芸能史における第一級の史料に他ならない。
「1億人の喝采を浴びて歌うのと、たった1人の喝采を浴びるのと、どちらが気持ちよく歌える?」
「もちろん1人の人だと思います」
1980年の芸能界引退から今、「昭和最高のアイドル」としてその名が上がるのが山口百恵さん。
編集者時代、通いに通った「大宅壮一文庫」。400誌から作成した人名索引総合ランキングを発表していますが、創設から現代に至るまでのランキングで、百恵さんは7位(15年2月時点)。
わずか8年の芸能生活。引退してから一切表舞台に立っていない人物がこの順位をキープ。いかにすごいかわかります。
相変わらず根強い待望論もある中、表舞台に復帰することはありません。
往々にしてタレントは自分のイメージを壊してしまいがち。しかし彼女の場合、努力して完璧に過去の自分をコントロール。そこに凄みがあります。
70年代に全盛を誇ったオーディション番組「スター誕生」出身であることは知られています。72年、牧場ゆみさんの「♪回転木馬」で準優勝。翌年、14歳でデビュー。同じホリプロ所属の森昌子さん、そして桜田淳子さんとともに「花の中3トリオ」。この2人はともに優勝組。
番組プロデューサーは日本テレビの人。
「酒井さん、ちょっと会ってほしい子がいるんだけど」
「どういうこと?」
「札が上がらないと思うんだ」
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)