… … …(記事全文3,010文字)「男と女:恋愛の落とし前」(唯川恵著・924円・新潮社)
不倫はすることより、バレてからが本番――恋愛小説の名手が実話を元に贈る「修羅場の恋愛学」。
著者初の書下ろし恋愛新書・・・男は世間体をとり、女は自分をとる――。12人の女性のリアルな証言に基づく恋愛新書、爆誕!・・・とのことです。
まあ、リアルにインタビューして、その合間にご自分の印象・感想・意見を述べる形で進みます。もち、ご本人には言わず、ひたすら「聞き役」に徹してます。そうか、小説でもこんな風に取材してるんでしょうね・・・。
バラエティに富んでますね、女の不倫。男からすると、女はやはりだれもが女優なんだな、といまさらながら思い知りました。
ああ、恐ろしや。単純バカの男の浮気などかわいいもんです・・・たぶん。
さて、他人の男を奪い続けて20年、何不自由ないのにPTA不倫に陥り家庭崩壊、経済力重視で3度離婚など・・・36歳から74歳まで、未婚、既婚、離婚経験者12人の女性の「リアル」を直木賞作家・唯川恵さんが冷徹に一刀両断してます。
「大人の恋には大人の事情があり責任がある」
「恋愛は成功と失敗があるのではない。成功と教訓があるだけ」
なるほどねー。恋に浮かれる人にも不倫の愛に悩む人にも、人生を狂わされた人にも、この説得力ある珠玉の名言集。そうそう、著者初の新書だとか。
名言集ではありませんね。そう書くと誤解されちゃいますよ。
不倫女性の話に、意見したいのにガマン、口を挟みたいのにガマン、だからこそ原稿にするとき止まらない。客観的で冷徹な独白は的確なアドバイスでもあり、聞きごたえ十分。
けど、インタビュー相手の不倫女性にはしなかった? なぜ? 受け容れないと思うから。著者はあくまでも聞き役。正解を教える立場ではありませんから。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)