… … …(記事全文3,165文字)「お化けと森の宗教学: となりのトトロといっしょに学ぼう 後編」(正木晃著・1890円・春秋社)
さて、お化けと妖怪と幽霊とはどこがどう違うのでしょうか・・・。
たとえば、幽霊が現れるとき必ず生きていた頃の姿だそうです。しかも相手が決まっていて、誰かれかまわず現れることはありません。ですから幽霊を見た人は、それが誰の幽霊かすぐにわかってしまう。
時間帯も決まっていて、「草木も眠る丑三つ時」、つまり、午前2-3時ぐらい。真夜中ですね。
妖怪、化け物は正体がわからない。化けていますからね。
妖怪は現れる場所が決まっている。しかし現れる相手は誰でもいい。たまたま偶然そこを通りかかった人にも現れる。時間帯はだいたい決まっています。夕暮れ時が多い。いわゆる黄昏時や彼は誰時です。
妖怪の怪、ものの「け」の怪・・・これは言うまでもなく「気配」を意味します。
仮に物が鬼、亡霊だとすると、もののけとは鬼の気配、亡霊の気配です。
「物知り」という言葉も世間一般尋常ではない知識がある、ということです。普通なら不可能
購読するとすべてのコメントが読み放題!
購読申込はこちら
購読中の方は、こちらからログイン