… … …(記事全文2,112文字)「ひとりで生きる 大人の流儀9 後編」(伊集院静著・1000円・講談社)
「横浜で沖仲仕(差別用語らしくいまでは港湾労働者、というらしい)をやり、米軍基地専門の引っ越し会社でドライバー兼通訳をして暮らしていた。父親から勘当され仕送りを止められた。そんなことへっちゃらだ」
「日本を出て海外で生きる道を探そうと思った。月一度稼いだ金を桜木町から電車に乗って渋谷の銀行に預けに行く。寝泊りしている事務所が元は怖い稼業の事務所であったから無用心なのでそうした」
「1年余り続いていたある午後、電車の中で声をかけられた。姉だった。降りたらすぐに母さんに電話して、と言われ公衆電話から電話。2年ぶりに聞く母の声は泣いていた」
「とにかくどこか会社に入って、それから父さんに謝りに行くのよ、と姉から説得された」
その会社に勤める人の紹介で総務部へ行くと・・・。
「君はバカか。うちは500倍の競争率で社員を採用してるんだ。就職活動も知らんのか!」
説教されてると割腹のいい男性が現れた。
「あっ、ボス。今時こんな非常識なのが・・・」
「図体がでかいが何かしてたのか?」
「6大学で野球を少し」
「野球?」
顔をまじまじと見ていった。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)