… … …(記事全文2,744文字)「ちばてつやが語る「ちばてつや」 後編」(ちばてつや著・946円・集英社)
「徐さんへの思いが格別なのは、漫画の原点をたどれば、あの終戦時に隠れ住んでいた屋根裏部屋に行きつくからです」
『イソップ物語』『アンデルセン童話』を題材にして母親が絵を描いて語ってくれた。「下手な絵だなー」と子供ながらに感じて、ちばさんは自分で絵と文を合わせて弟たちに見せると、母親が感心。それから弟たちに読み聞かせるようになります。
「目を輝かせている弟たちを見ると描いてよかった。これが原体験」
高校生の時、貸本屋の漫画を描く「バイトのようなもの」を始めます。どれだけ描けるか、という「テスト」とずっと思ってたらしい。しばらくして完成作品を持っていくと、お金を渡された。
「原稿料だよ」
「驚きました。金額もはっきり覚えてます。12351円。当時、大学出の国家公務員初任給が8700円。高校生の分際で大金を手にして夢遊病者のように街中を歩いてた」
「何をやっても駄目なグズてつが、おまえには漫画しかないんだよ、と教えるための神様の思し召しだったのかも」とちばさん。
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)