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自民党総裁選の開票が行われるが、密かに再浮上しているのが旧統一協会(世界平和統一家庭連合)問題だ。しんぶん赤旗の統一協会取材班によると、今回の自民党総裁選において、合計85人の推薦人が旧統一協会や関連団体との接点が判明している。特に旧統一協会・関連団体との接点がある推薦人が多いのが高市早苗・経済安保担当相と小林鷹之・前経済安保相だ。各候補の推薦人の数は、それぞれ20人だが、高市氏の推薦人のうち13人、小林氏の推薦人のうち12人が協会側と接点がある。安倍元首相銃撃事件まで旧統一協会は自民党の選挙を支援し、首相自らが旧統一協会幹部に「●●を応援して欲しい」と支持することもあった。次期総裁は旧統一協会問題にどのような対応をする旧統一協会の応援もあって当選した候補の一人が安倍派の北村経夫産院議員だ。2013年の参院選時に同氏の選挙事務所で働いていた福岡県在住のライター・近藤将勝氏は、かねてより旧統一協会と保守政治家の癒着とその是正をメディアに訴えてきた。近藤氏に取材したところ、同氏は高市・小林氏に関して懸念を抱いているという。高市氏に関しては、「高市氏の支援は、主に日本会議など岩盤保守層ですが、勝共連合と高市氏の思想(反共、選択的夫婦別姓反対、対中国強硬姿勢など)が近く、個人的に支援している信徒は少なからずいるようです。(一例ですが)反共運動に熱心なYouTuberの信徒が、8月25日・福岡市内のホテルで行われた高市氏の講演会に参加し、YouTubeで『素晴らしい講演会をもとに高市早苗大臣が評価されるように願います』と発信していました(近藤氏)」コメント欄を見ると、「私も参加しました」というようなものが見られ、他にも複数の旧統一協会関係者が参加しているようだ。特にYouTuberの信徒はコメント欄でも「会場で初めて高市早苗大臣を見たとき天照大御神を思い出しました」と書くほどの絶賛ぶりだ。ただし、近藤氏いわく、このYouTuberの信徒は問題行動が多く、近藤氏の取材を自撮り棒を振り上げて「名誉毀損だ、許さない」と妨害したり威圧的な言動を行っていて、福岡の旧統一協会幹部も注意喚起しているのだとか。信教の自由があり、旧統一協会の信徒全員が反社会的で過激な訳ではないので、講演会を出禁にする理由はないのかもしれないが、インターネット上では、「高市氏の票が伸びているのは、自民党員に旧統一協会関係者が多いからではないか」という噂が出まわっている。本人としては、ありがた迷惑かもしれないが。小林氏については、 「先月8月31日に福岡で小林氏の街頭演説を聞きました。しかし、小林氏は旧統一協会問題について言及しませんでした」という。他の政策の話も限られた時間内でしなければならないという事情もあるだろうが、近藤氏は違和感を持ったという。「福岡県は、嘗て旧統一協会と自民党との癒着が強かった地域であり、教団関係者に聞いたところ、『現在接点はないが、安倍元首相の事件まで、福岡県選出の自民党国会議員全員をうちの組織は全面応援していた』とのことです(近藤氏)」福岡県選出というと今回の総裁選のキングメーカーの一人だといわれる麻生太郎氏も含まれることになる。UPFのグループ「Think Tank 2022」のパンフレットに「Taro Aso」の名前が記されていた際、麻生太郎事務所は複数の報道に対して旧統一協会との関係性を否定したが、真実は如何にー。その麻生氏は3日、小林氏と面会した際「大いに頑張れ」と激励したことが報じられていたが、現在、決戦投票が石破茂氏・小泉進次郎氏・高市早苗氏の三人のうち二人になる可能性が高くなってから「麻生派で高市氏支援の号令をかけている」という情報が一部の政治記者の間で出回っている。もう一人のキングメーカーである菅義偉元氏も官房長官時代に旧統一協会幹部を首相官邸に招待していたという疑惑が報じられている。麻生氏、菅氏との勢力抗争だともいわれている総裁選だが、どちら側の勝利になっても新政権の旧統一協会に対する対応(もちろん他のカルト団体含め)は注視しなければならないだろう。「現在も福岡県では旧統一協会は『信教の自由を守る集会』を開催するなど活発な活動を展開しています。更に、同時期に小林氏が2018年に関連団体である平和大使協議会に祝電を送ったことなどが報じられていて、同氏と旧統一教会との関係性について疑念を抱いている人も多いはずです。出馬会見で『旧統一協会問題に厳しい姿勢をとる』と発言した以上、街頭演説でも言及すべきだったのではないでしょうか(近藤氏)」30年にわたり、旧統一協会問題を追求してきたジャーナリストの鈴木エイト氏によると、 「統一教会の高市推しは一部信者のSNSなどなので、それほど大きな動きではないと思います。教団にとって有利になりそうなのが高市という感じはあります。教団は総裁選をターニングポイントと捉えて、解散命令を出した岸田首相の路線から、融和的な政策を行う総裁になって欲しい、と思っているようです。小林鷹之氏に関しては『ピースロード2021』への参加が報じられた2年前に、地元の支援者の中にいた統一教会関係者とは完全に縁を切ったそうです。小林氏の妻は2世問題へ積極的に取り組む弁護士であり、小林氏もカルト問題や消費者被害への問題意識を強く持っていると聞いています。小林氏の推薦人に統一教会と接点を持った議員が多いのも、それだけ統一教会があらゆるところへ触手を伸ばしてきた証左とも言えます。推薦人の中にいる若手議員とも話しましたが、安倍元首相銃撃事件以降、全く統一教会サイドからのアプローチはないそうです。単に接点があった議員と意図的に教団と関係を持ってきた一部の大物議員とは分けて考えた方が良いと思います。但し、2013年の参院選前に安倍晋三首相が統一教会トップと自民党総裁応接室で面談し特定候補への支援について話し合っていたことが発覚した以上、党内の再調査について総裁選でも対応について触れるべきだと思います」高市早苗事務所、小林鷹之議員事務所に総裁になれば、旧統一協会に対してどんな対応をするのか、質問をした。高市早苗事務所からは、「(旧統一協会に対して)厳しい姿勢でのぞみたいと思っております。既に自民党で決定した通りです」。しかし、これまで自民党は党国会議員に対して簡易的な自己申告制の調査で済ませていた。「再調査など新たな対策を考えているか」という質問に対しては、具体的な回答がなく、福岡県での講演会については、「現地の経済人の方々が主催して下さったものであり、どのような方々を招いたかは事務所側では把握しておりません」という返答だった。小林鷹之事務所は電話は繋がり秘書と話したが、期日までに返答はなかった。次期総裁は旧統一協会問題にどのような対応をとるのか。
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