… … …(記事全文2,371文字)「石油で読み解く「完敗の太平洋戦争」 前編」(岩間敏著・880円・朝日新聞出版)
筆者は元石油公団理事。その「石油屋」が、「アブラ」を縦軸にして太平洋戦争を読み解く。
航空用ガソリン精製の日米技術力格差、真珠湾攻撃の「石油施設見逃し」事件、サハリン・中国・中東の油田開発の大失敗、さらには、タンクの「最後の一滴」まで吸い上げられていた戦艦大和の燃料の秘話、海軍官僚の南方進出欲に踊らされた国政担当者の弱腰ぶりなど、知られざる事実満載。現在に続く「石油と戦争」の深い関係が断然よくわかる。
書庫の大掃除で山ほど積んだ本を一斉処分。悪いくせで捨てるはずがまた読み始め、あっという間に時間が過ぎてしまいました。
本書はその中の一冊。データが豊富なんで、先日、NHKで2日間にわたって放送された『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦・ドラマ×ドキュメンタリー』を彷彿とさせました。
ああ、石油がすべてだったんだな・・・。油は血の一滴、油断大敵という言葉があるほどです。
大東亜戦争のきっかけは米国の石油禁輸にあります。わが国が世界で最初の石油危機に直面したことにあります。
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