… … …(記事全文1,757文字)「プレゼント 前編」(伊集院静著・649円・小学館)
先日亡くなられた伊集院さんの遺作となります。
心に滲みる短編小説と名エッセイ集の新装版。
「2012年購入」とアマゾンの記録にしかと残ってました。ずっとほったらかし。
今回、書庫整理でどんどん未読本が出てきました。これから読もう、もういいや、いろいろです。原原メンバー希望者に着払いで配りまくってます。
「先生、水芭蕉の花は空のご褒美なんだよ」
ダム建設によって水底に沈む街から東京に転校してきた少女ミチコ。都会に馴染めず、貧しさや母親への不信などに傷つきながらも、転校先で出会った先生に抱く少女の純粋な気持ちを通して、大切なものとは何かを描く文庫オリジナルの表題短編小説「プレゼント」・・・。
逗子なぎさホテルに住んでたときに部屋の係をしていた老人から聞いた話を書いた「靴」。
京都に住んでた時の話「宵の花」など。人との出逢いや大切な時間を綴った随想が満載。
伊集院さんがあとがきで「自分としては人物描写の出発点であると思っている」と書いている「旅の追憶」「春の影」「ギャンブル躁鬱」といった酒とギャンブル、男と女の人生模様を綴った心に滲みる名随想を多数収録とのこと。
1998年に発刊した文庫の新装版だとか。
【編集担当からのおすすめ情報】
随想の天才・伊集院静氏ならでは名エッセイの数々と書き下ろし短編小説を収録しています。生きるとはなにか? 大切な時間とはなにか? を考えさせられ、じわっとくる一冊です・・・とのこと。
「宵の花」・・・
たぶん私はこの宿で肉体の疲労よりも精神の疲れを癒すことができていたのだろう。
「それはよろしおすね。男さんはどんどん遊ばなあきまへん」
歳の差こそあれ京都の芸妓二人が花を目の前にして語らっている姿は微笑ましかった。
たしかに今も古いしきたりの中で生き、芸を磨いてきた女たちなのだが、 二人の姿には花を
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)