━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 年3000冊読破の読書王! 中島孝志の読む!通勤快読 宅配便 2018年6月14日 ウェブで読む:http://foomii.com/00080/2018061400000046489 EPUBダウンロード:http://foomii.com/00080-47002.epub ─────────────────────────────────── 続きです。超長いですよ。長いから2つに分けたんですけど、それでも長いので3つにします。 「あの日、あの朝、広島の上空580メートルのところで原子爆弾ちゅうもんが爆発しよったのは知っちょろうが。爆発から1秒あとの火の玉の温度は摂氏12000度じゃ。 あの太陽の表面温度が6000度じゃけえ、あのとき、ヒロシマの上空580メートルのところに、太陽が、ペカーッ、ペカーツ、2つ浮いとったわけじゃ。 地面の上のものは人間も鳥も虫も魚も建物も石灯籠も、一瞬のうちに溶けてしもうた。根こそぎ火泡を吹いて溶けてしもうた。屋根の瓦も溶けてしもうた。しかもそこへ爆風が来よった。秒速350メートル、音より速い爆風。溶けとった瓦はその爆風に吹きつけられていっせいに毛羽立って、そのあと冷えたけえ、こげあ霜柱のような棘がギザギザギザと立ちよった。 瓦はいまや大根の下ろし金、いや、生け花道具の剣山。このおっとろしいギザギザで、おんどりゃ肝臓を根こそぎ摺り下ろしたるわい。ゴシゴシゴシ、ゴシゴシゴシ・・・」 『父と暮らせば』は1994年。井上ひさし作です。… … …(記事全文2,350文字)
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中島孝志(作家・コンサルタント etc)