… … …(記事全文3,094文字)私には皆さんが思っているほど、尖ったプライドがない。
よく恋愛向けの話に書くが、ホテルで美女がシャワーを浴びている時には、
「なんで彼女は俺と寝てくれるんだろう」
と首を傾げている。もちろん、恋人だ。
けっこう謝るタイプで、だから街でケンカを売られる事が多い。
これは合気道の先生にも言われた。
「里中さんは腰が低いからねえ。肩がぶつかったら謝るから、弱い相手が調子に乗る」
だから、年下の男にも殴り掛かられてきたし、怒鳴られてきた。
ただ、それを想定しているから切り抜けてきている。
ようは、
相手の根拠がないプライドが無駄に高いことを見極めていて、こちらが優しい顔をして接していたら調子に乗ってきているのも分かってるのだ。
「僕は里中先生とは言いません。里中さんと言います」
一緒に仕事をする前に、開口一番、そう言ったクソガキが二人いた。
「あ、そう」
としか言わない。ただ、「なんのプライドがあるんだろうな。あかんわ、こいつ」と思ってる。
会社勤めをしていた二十代後半の頃、私に突然殴りかかってきた年下のクソガキがいた。
彼のプライドは、「俺は女にモテる」だった。もちろん、「おまえよりも」。
それだけでケンカを吹っ掛けてくるのだ。
だが、エレベーターの中で二人きりになったりしたら、殴ってくるか怒鳴ってくるか分かっていたから心の準備をしていた。そのクソガキは私に対する殺意があったものだ。
単に、「俺はおまえよりもモテる」というだけで。
これはリアルな事例だが、今のSNSの妬みの中傷は、こんな事が発端だ。
あなたの中にも拙いプライドがある。
「自分はダメな男です」
とSNSに書いているのも嘘。客観的に見てダメ男だが、いわゆる「俺はまだ本気を出してないだけ」と心の奥底で思っているから、本当にダメなままなのだ。
男らしく生きれば成功する ~君たちは悔しくないのか~
里中李生(作家)