… … …(記事全文3,687文字)女性がセックスをしている場面で、「自尊心」という言葉を初めて聞いたのが高校生の時だった。
それは少女漫画のシーンだ。
ある女子高生の少女(ヒロイン)は実は超能力者で悪と戦っている。
真面目で正義感が強く、恋焦がれている男性が一人。その彼とは体の関係はまだない。
少女が悪い男たちがいるお金持ちの屋敷に忍び込んだら、そこでは乱交パーティーが行われていた。
男たちはオヤジのお金持ち。女の子たちはほとんどが美少女である。
ヒロインの彼女がなんとかやめさせようとするが、女の子たちはセックスの快楽に耽っていて拒否。デブのおじさんたちにやられまくりである。その時に、
「あなたたち自尊心はないの!」
とヒロインの少女が怒鳴ったのだ。
高校生だった私は、その意味がしばらく理解できなかった。
「女がセックスで遊ぶことは自尊心がない? じゃあ、売春は?」
ぼんやりと考えていた。それから数年後に、私はセックスと文化、ユングなどを勉強するようになるが、『女性のセックスと自尊心』については、あまり考えてこなかった。
それはフランスで、「私の体は私のモノ」という売春合法化の運動があったからだ。