━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 渡邉哲也の今世界で何が起きているのか 2011/11/17 第48回 財政健全化一本槍のドイツ 反対する英米 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ドイツがユーロ危機対応のために、各国の財政を一元管理するという国家主権の一部譲渡 に言及した。しかし、条約改正にはすべての加盟国の同意が必要となり、これは不可能に 近い話となるだろう。また、この発言はドイツ国内でも大きな波紋を呼ぶ可能性がある。 ドイツ国民の多くは、ギリシャなど債務国の救済に自国の税金が使われることに反発して おり、ギリシャの自発的な離脱を望む声も大きい。さらに、メルケル首相の母体であるCD Uは、ユーロからの離脱を認める同義を議決しており、メルケルに対するドイツ国内での 議会の反発が強まる可能性が高い。 ドイツはこの状況に追い込まれても、財政規律の健全化に言及しており、これを実現しよ うとすればするほど、欧州経済の悪化が見込まれる話となる。公共事業もGDPを支える重… … …(記事全文7,855文字)
渡邉哲也の今世界で何が起きているのか
渡邉哲也(作家・経済評論家)