□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2018年02月05日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ =================================== 1月米雇用統計では賃金上昇圧力の強さを報告、複雑化する金投資環境 =================================== <漸く急伸した米国の賃金> 2月2日に米労働省が発表した1月雇用統計は、ほぼ理想的と言える内容になった。ヘッドラインとなる非農業部門就業者数は前月比20.0万人増であり、前月の16.0万人増(速報は14.8万人増)、市場予測の18.0万人増を大きく上回っている。今回は2017年1~12月分の数値も全て改定されているが、全体では雇用者数が11.8万人上方修正されている。失業率は4.1%、労働参加率は62.7%で、ともに4ヵ月連続の据え置きである。労働力人口の増加を労働市場が着実に吸収しており、完全雇用に近い状態が維持されていることが再確認できる。 ただ、この辺の数値は必ずしも意外感があるものではなく、これだけであれば特にマーケットは目立った反応を示さなかった可能性も十分に想定できた。ただ、今回の雇用統計には大きなサプライズがあり、それは平均時給(前年比)が2.9%増と、前月の2.7%増(速報は2.5%増)から一気に大きく上振れしたことだった。2.9%の伸びとなると09年7月以来で最大であり、米当局者が待ち焦がれていた労働需給のひっ迫化が賃金環境も押し上げる流れが漸く明確に確認されたことを意味する。… … …(記事全文4,434文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)