□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2017年12月14日(木)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。FOMC後の金相場動向を解説します。今回のFOMCのポイント、金価格に対する影響を中心に検証します。 =================================== FOMCはタカ派のサプライズなしも、政策正常化の金価格押し下げは続く =================================== <金融政策の正常化は進む> 12月12~13日の日程で今年最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されたが、マーケット全体の受け止め方は「ハト派」であり、ドルが売られる一方で金が買われ、米金利低下の一方で株式が買われる展開になっている。緩やかな利上げ軌道に(タカ派方向への)修正が見られなかったことが、金融政策正常化への期待感・警戒感を一段と高めていくことに失敗し、最近の米金利上昇・ドル高傾向にブレーキを掛ける形で、急落地合が続いていた金相場に対しては下げ一服感をもたらしている。COMEX金先物相場の場合だと、11月27日の1オンス=1,299.00ドルを直近高値に12月12日には1,238.30ドルまで値位置を切り下げていたが、FOMC後は概ね1,260ドル水準までの切り返しを見せている。 今FOMCでは0.25%の追加利上げが確実視されており、実際にフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標は1.25~1.50%まで0.25%引き上げられた。インフレに関する評価は必ずしも改善していないが、「11月のFOMC以降に入手した情報は、労働市場が引き締まり続け、経済活動が堅調な速度で拡大していることを示している」との認識から、今年3回目の利上げが正当化できると結論づけたことが確認できる。資産売却スキームにも特に変化はみられず、保有資産から米国債が60億ドル、MBSが40億の削減を行ったことが確認できる。過去3か月では累計300億ドルの資産削減であり、来年1月からは予定通りに米国債が120億ドル、MBSが80億まで削減ペースを加速することになる。… … …(記事全文4,072文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)