Foomii(フーミー)

稲葉義泰のミリタリーレポート ─軍事と法から世界を見る─

稲葉義泰(国際法・防衛法制研究家/軍事ライター)

稲葉義泰

ウクライナ問題と自決権

ウェブで読む(推奨):https://foomii.com/00255/2022022823594891566 //////////////////////////////////////////////////////////////// 稲葉義泰のミリタリーレポート ー軍事と法から世界を見るー https://foomii.com/00255 //////////////////////////////////////////////////////////////// ●ウクライナ問題と自決権● ●鈴木宗男議員の主張  2022年2月28日に行われた参議院予算委員会において、日本維新の会の鈴木宗男議員が、日本政府に対してウクライナ情勢に関する質問をする中で、国際法に関する独自の考えを表明しました。その中で、国連憲章には「自決権」が認められており、ウクライナ東部の親露武装勢力実効支配地域(「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」)の独立やロシアなどによるその国家承認を、この自決権に根拠づけて説明しました。果たしてこの主張は国際法上正確なのでしょうか。 ●国際法における自決権  そもそも「自決権」というのは、一般に「(人民が)その政治的地位を自由に決定し、その経済的、社会的及び文化的発展を自由に追求する」権利(植民地独立付与宣言:1960年、国連総会決議1514)と定式化されています。  この自決権には2つの種類があります。1つは「外的自決権」で、これは一般的には植民地や外国の占領下にある地域において、その本国(宗主国)や占領国からの分離独立を含む自決権です。そしてもう1つが「内的自決権」で、こちらはある国の国内で人民が民主的な政府の誕生を求めたり、あるいは国内における少数派民族などが自治権などを求めたりする権利です。ただし、外的自決権と違い、内的自決権では基本的に国家からの分離独立が認められません。1970年に採択された「友好関係原則宣言(国連総会決議2625)」では、自決権に関して「主権独立国家の領土保全又は政治的統一を、全部又は一部、分割又は毀損しうるいかなる行動をも承認し又は奨励するものと解釈してはならない」と規定しています。ここで言う「領土保全」というのは、国家の領域の現状や一体性がそのまま維持されること指す国際法上の原則です。
… … …(記事全文3,304文字)
  • バックナンバーを購入すると全文読むことができます。

    購入済みの読者はこちらからログインすると全文表示されます。

    ログインする
  • ひと月分まとめての販売となります。1記事のみの販売は行っていません。

    価格:500円(税込)

    2022年2月分をまとめて購入する

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年4月19日に利用を開始した場合、2024年4月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2024年5月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、ドコモケータイ払い、auかんたん決済をご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

銀行振込では、振込先(弊社口座)は次の銀行になります。

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する