□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年3月20日第241号 ■ ============================================================== 日中関係をぶち壊す事になる伊勢志摩サミット ============================================================== 特大のスクープを見つけた。 きょう3月20日の栃木県の地方紙「下野新聞」が報じた。 中国が、5月の伊勢志摩サミットで、南シナ海問題を取り上げないように日本側に要請していた事が19日にわかったと言う。 2月末に行われた外務次官級協議で申し入れていたという。 これは大スクープだ。 地方紙である下野新聞がそのような大スクープを独自で書けるはずがない。 おそらく共同通信の大スクープに違いない。 やがて大手メディアが報じるだろう。 こんな重要な中国側の申し入れについて、次官級協議ではもちろん結論が出るはずもない。 これは安倍首相の決断次第だ。 外務官僚はあわてて官邸に報告し、官邸は頭を抱えて相談している最中に違いない。 それにしても、こんな要請が中国から2月末に提起されていたのだ。 その間一か月ほどの間、大手新聞は一切報道しなかった。 安倍政権にとってあまりにも衝撃的だから自粛したのだろうか。 それとも共同が19日に特大情報をつかんだのだろうか。 私だったら南シナ海問題などサミットの議題にはしない。 中国に貸をつくる。 これをきっかけに日中改善を一気に進める。 サミットの議題は世界経済問題の解決とテロ対策で十分だ。 サミット参加国の首相の中で南シナ海問題を選挙区的に取り上げたいと考える首脳は皆無だ。 米国でさえ、この問題をサミットで取り上げたいとは思っていない。 この問題は米中の二国間で解決すべき問題だ。 しかし、安倍首相は、この中国の要請に応じないだろう。 中国による人工島造成や軍事拠点化は国際社会は容認しないと世界に喧伝したがる。 かくして、伊勢志摩サミットは、見当違いに対中包囲網の舞台となり、日中関係は破滅的に悪化する。 おもしろくなってきた。 安倍首相が議長となる伊勢志摩サミットは、歴史に残るサミットになるに違いない。 もちろん、これまで日本が議長国として開催して来たサミットの中で、外交的に最悪、最低のサミットとして、である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)