□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年3月10日第210号 ■ ============================================================== ひとりの投手をさらし首にしたナベツネ読売の大罪 ============================================================== 高木京介という若い投手が野球賭博を認める記者会見を行った。 その一部始終をテレビで見た私は、なんともいえないやるせない気持ちと、こみ上げる怒りを抑えることができなかった。 これほど異様な記者会見を見た事が無い。 記者会見を取り仕切る者もいなければ、この種の記者会見では必ず立ちあう弁護士らしき者もいない。 突っ立ったまま、聞かれるままに、答えさせられていた。 まるでさらし者にされているようだった。 このような異様な記者会見をさせたものは誰か。 いうまでもなく読売グループのドンであるナベツネこと渡辺恒雄に違いない。 日本の政治を動かしているのはこの俺だ、と言わんばかりの読売グループのドンにとって、野球賭博は致命的だ。 俺の顔に泥を塗ったこの野郎は、見せしめにしろ、そう命令したのだ。 しかし、ナベツネの読売はこれで終わった。 野球だけではない。 メディアとしてもはや存続できないだろう。 もちろん、存続しようとするだろう。 しかし、いくら存続しても、メディアの使命を果たすことは出来ない。 メディアの使命を果たせない読売は屍だ。 野球賭博の背後に存在するのはこの国の組織犯罪だ。 しかも暴力団がらみだ。 そのことをもはや誰もが知っている。 それを暴くのがジャーナリズムの使命であるはずなのに、みずからが関与している事を知っていながら隠ぺいし、明るみになっても、本気で膿を出そうとしなかった。 その大罪は大きい。 しかも、日本一の販売部数を誇る「天下の読売新聞」が、みずから率先して報道することなく、週刊誌に書かれてはじめて、それを認めるという体たらくだ。 さすがに今度ばかりは首脳そろって引責辞任の形を取らざるを得なかった。 ならば首脳がみずから雁首を揃えて記者会見で謝罪するのが、どの大企業もやってきたことなのに、それを逃げて、投手ひとりをさらし者にした。 組織のトップとしてあるまじき往生際の悪さだ。 しかし、この醜態は読売の問題だけでは終わらない。 いや、終わらせてはいけない。 プロ野球に天下りした検察OBも同罪だ。 天下りさせてもらった借りがあるから追及できない。 そして大手メディアは同業者を叩けない。 いつまでたっても暴力団を取り締まる事に出来ない警察もまた同じ穴のむじなだ。 これを要するに、高木京介投手の記者会見は、この国の権力者たちの不誠実を見事に暴いて見せてくれた。 権力者たちが、その悪行、失態を皆で共有し、かばい合って、最後は弱者をさらし者にして逃げようとする。 これほどの大罪はない。 そして、それはまさしく今の日本の権力構造の姿だ。 その根源こそいまの日本の政治の姿である。 日本中で起きている様々な事件はすべて政治の責任である。 行き着く先は市民革命しかないという思いが強まる日々が続くだろう(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)