□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】
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□■　天木直人のメールマガジン２０１６年２月１０日１２７号
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　　辺野古代執行訴訟、靖国参拝訴訟に見る司法の「逃げ腰」

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　安倍政権が辺野古埋め立て工事承認を撤回をした沖縄を訴えた代執行訴訟で、福岡高裁那覇支部は和解案を提示した。

　安倍首相の靖国参拝取り止めを求めた靖国参拝違憲訴訟で、大阪地裁は法的判断を避け棄却した。

　この二つの裁判に共通しているものはなにか。

　それは司法が政治判断から逃げたということだ。

　そして、それはそのまま砂川判決再審請求訴訟に共通するこの国の司法の
卑怯さである。

　すなわち１９５９年に最高裁が下した砂川判決は、当時の田中耕太郎裁判長が、高度の政治判断を伴う訴訟は司法になじまないという、いわゆる「統治行為論」を持ち出して逃げた先例だった。

　以来、この統治行為論は司法の確立した法理とされてきた。

　ところがこの法理は、田中耕太郎最高裁裁判長が米国に従属して下した政治的判決を正当化する屁理屈であることが、最近になって見つかった米国機密文書で満天の下にさらされた。

　だからこそ、その砂川事件の判決の再審査請求訴訟がいま行われている。

　しかし、この再審査請求訴訟は、とっくに審理が終わっているのに、いつまでたっても判決が下されそうもない。

　それは当然だ。

　憲法違反はもはや逃れられないほど明らかなのに、安倍政権を追いつめることになるから、判決を下せないのだ。

　同様な事が同時に並行して行われている。

　司法はその使命を放棄して、和解案提示したり、訴訟の要件を満たしていないなどと言って棄却する。

　われわれは、辺野古工事代執行訴訟、靖国参拝違憲訴訟、そして何よりも砂川判決再審請求訴訟の三つの訴訟について注視し、裁判官を司法判断から逃がしてはいけない（了）

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編集・発行：天木直人

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