□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年2月10日126号 ■ ============================================================== 「両てんびん外交の失敗」と中国批判をした東京新聞 ============================================================== 2月9日の東京新聞が「中国両てんびん外交失敗 習政権に痛手」という記事を書いた。 その要旨は次の通りだ。 中国は北朝鮮と長年の同盟国であり、一方が戦争状態になれば軍事援助をする相互援助条約も結んでいる。北朝鮮が国連の経済制裁を受ける中でも、中国は原油や食料の支援を続け、北朝鮮の後ろ盾になってきた。同時に、韓国との蜜月関係を深め、米韓関係の分断を狙う二重の戦略をとってきた。しかし、北朝鮮の暴走を止められなかったばかりか、THAAD配備をめぐって韓国が米国との関係を深めるようになれば、習近平政権は国内でも「両てんびん外交の失敗」と批判されるおそれがある。 そうだろうか。 拓殖大学大学院特任教授の武貞秀士氏は2月9日の産経新聞紙上でこう書いている。 中朝関係は以前より弱まっているのは間違いないが、中国の影響力は依然として強いと。 米国の嫌がる事をしてくれる北朝鮮は中国にとって困った存在ではなく。相互依存の関係にある、南シナ海をめぐる米中の摩擦を考えれば米国が望む北朝鮮への厳しい制裁に中国が賛成する可能性はむしろ低くなったといえると。 私はむしろ、この考えの方が正しいと思う。 それよりもなによりも、北朝鮮とも韓国とも友好関係を模索しようとする中国のほうが、米国と一緒になって北朝鮮を敵視する韓国よりもはるかにまともではないか。 反戦・平和を唱える東京新聞もまた、中国に関してだけは、他の主要紙と同様に批判的である事を私は知っている。 この記事もまたそれを教えてくれる一つである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)