□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年1月29日第89号 ■ ============================================================== イラン進出に後れを取る日本 ============================================================== 安倍首相のウリはアベノミクスと積極的外交であるはずなのにそれがまっかなウソであることがここでも証明された。 イラン進出の事である。 イランへの経済制裁が解除されたことにより、世界はイラン進出へ向けて動き始めた。 まっさきにイランに飛んだのは習近平の中国だ。 新幹線売り込みや原発売り込みをした。 そう思ったら今度は欧州だ。 イランのロハニ大統領は欧州を訪問し、エアバス大量購入や鉄鋼大手との合弁を決めたという(1月29日読売)。 ひるがえって日本はどうか。 もともと関係の深かった日本とイランであったが、米国の制裁によってすっかり関係を途絶えさせた。 制裁が解除されたら真っ先にイランとの関係を強化すべき日本なのに、そしていずれ解除されることは分かっていたから準備しておくべきだったのに、解除後の日本の動きはあまりにも鈍い。 大型商談がまとまったという話は聞かない。 あれほど日本企業の売り込みに熱心な安倍首相がイランとの首脳外交を行う気配はない。 サウジアラビアとイランの仲介をする動きもない。 その一方でイスラエルとの協力がここにきて目立つ。 何もかも米国の後をついていくだけのような中東外交だ。 かつて安倍首相の父親の安倍晋太郎が創造的外交と称して戦争中のイラン・イラク双方と良好な関係を誇って、しきりに往来したことがあった。 その実態は名前ばかりが先行するいかさま外交だったが、それでも行動をともなった。 名前ばかりの外交であったが、当時の官僚にはまだ大臣を動かす気概があった。 いまは何でも安倍首相の言いなりだ。 日本外交は間違いなく委縮、後退している(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)