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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

無理を承知でもっともらしい論調を書く朝日の論説委員を叱る
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年1月11日第30号 ■   ==============================================================   無理を承知でもっともらしい論調を書く朝日の論説委員を叱る  ==============================================================  朝日新聞の星浩特別編集委員がきのう1月10日の「日曜に想う」というコラムで次のようなエピソードを紹介していた。  すなわち、安保法づくりを担当した外務官僚の一人が昨秋転勤が決まり、法案づくりで一緒の仕事をした内閣法制局に挨拶に行った時、内閣法制局の幹部からこう釘をさされたというのだ。  「これからは米国に『ノー』と言えるかどうかが大事だ。日本外交をずっと見ているぞ」と。  そのエピソードを引用して星特別編集委員はその新年最初の論説でこう書いている。  協力を求めてくる米国に対し、「法律上はできるようになったが、政治決断としてやらない」と言い切れるかどうか、今年は日本の別れ道になる年だと。  しかし、外務官僚に釘をさした内閣法制局幹部も、そのエピソードを引用して政治指導者に政治決断を期待する朝日の星浩特別編集委員も、ないものねだりだ。  吉田茂ならずとも、憲法9条があるから出来ませんと、都合よく言い逃れし、米国の不当な軍事協力要請をかわしてきたの戦後の日本の叡智だった。  結果的にすべて対米従属に終わらざるを得なかったとしても、少なくともそう抵抗できた。  その憲法9条を放棄し、安保法をつくってしまった後で、どうして断れるというのか。  星浩特別編集委員はそのコラムをこう締めくくっている。  戦後日本の「対米従属外交」を振り返れば、「ノー」というには政治リーダーの強い意志が欠かせないと思うが、昨年の法案審議では、この点の議論は深まらなかった。今度こそ安倍首相と岡田民主党代表らの深い議論を期待したいと。  これほど無意味な論説はない。  安倍首相も岡田外相も、そして何よりも朝日新聞が、日米同盟を最優先している。  日米同盟の根幹は日米軍事協力である。  米国は世界最大の軍事国家であり軍事覇権国家だ。  軍事協力について他国の意見に耳を傾けることはありえない国だ。  その米国との軍事同盟を最優先する限り対米従属しかないのだ。  議論が深まらないのは彼らの立場が同じであるからだ。  これからの議論で必要なのは日米同盟の是非についてである。  もし、日米同盟を最優先することが彼らのコンセンサスなら、対米従属は受け入れるしかない。  日米同盟最優先を唱えながら対米従属に抵抗するのは、自己矛盾であり米国に対するわがまま、嫌がらせでしかない。  議論すべきは、まさしくそのところである。  この論説で星浩特別編集委員が書くべきは、議論を深めよと説くことではなく、自らの立場をはっきりと読者に示す事である(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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