□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年7月23日第809号 ■ ============================================================== ガザ和平の実現はイスラエルと米国に誤りを自覚させる事しかない ============================================================== ガザへのイスラエル軍の地上侵攻が始まり、誰もそれを止めることができないまま犠牲者が増え続けている。 耐えられない毎日が続いている。 地上侵攻と言えば聞こえはいいが、いま我々が目にしているのは、イスラエルによる公然たるパレスチナ侵略であり、アラブ武装抵抗組織を地上から抹殺する最後の全滅作戦である。 かくも公然と地上侵攻が許される地域が、世界中広しと言えども、パレスチナを除いてどこにあるというのか。 1948年から始まったパレスチナ紛争が最後の段階に来ているのだ。 二つの平和国家があの地域に共存する事を目指してきたはずのパレスチナ和平だったのに、かくも一方的かつ不平等な形でパレスチナ情勢が最終局面を迎えようとは誰が想像しただろうか。 すべては国際社会が、平和や正義に弱くなってしまった結果である。 ガザの見殺しは、世界がどんどんと強者の論理に席巻されてしまった結果である。 その良心の呵責に言い訳をするために、国際社会はイスラエルとガザの調停を試みようと躍起だ。 しかし、必要なのは調停や和解ではない。 イスラエルと米国に間違ったパレスチナ政策を止めさせる事だ。 私はその為に、イスラエルや米国に、その間違った中東政策を止めるように批判してきた。 米国のイラク攻撃に反対したのも根本原因はパレスチナ政策の不正義の放置があった。 しかし、それがまったく意味をなさない事を痛感してきた。 そしていま、まさにその無力さが明白になった。 イスラエルや米国の中東政策を変えさせることは誰にも出来ない。 それが出来るのはイスラエルや米国しかない。 イスラエルや米国が自らの誤りに気づき、自発的にその政策を改めるしかないのだ。 そしてそれは結局自分たちの安全保障政策でもある。 だから私は、彼らを批判して止めさせる事は止めた。 このまま事態が進展すれば、結果的にイスラエルも米国もすべてを失う事になる。 イスラエルや米国こそが、自らの生き残りの為に、パレスチナ問題の公正で永続的な解決が必要なのだ。 ガザの地上侵攻を続け、ガザ市民の虐殺を続けるようなイスラエルや、それを許す米国に決して平穏や安息の日々は来ない。 それらを、イスラエルや米国にわからせる必要があるのだ。 私が近未来小説の「アマル」で訴えたかったのはまさにその事である。 それしか未来はない。 イスラエルや米国を批判するのではなく、彼らにその誤りを気づかせるしかない。 さもなければ、人類の良心が悲鳴を上げるような本当の悲劇がいつか必ず訪れる。 皆が不幸になる。 そういう自覚を我々は真剣に持たなければガザの悲劇は終わらない。 誰かがそれを言い出さなければいけない。 なによりも、イスラエルと米国に、それを自覚させなければいけない。 それしかガザの悲劇を止めさせる事はできない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)