□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2014年7月17日第795号 ■ ============================================================== 安倍首相にぜひとも読ませたい金子秀俊氏のきょうの「木語」 ============================================================== きょう7月17日の毎日新聞の「木語」は秀逸だ。 どんなに読みたくなくても、安倍首相はそれを読んで、みずからの対中国、韓国政策に反映さたほうがいい。 安倍政権の側近や外務官僚たちは、1995年当時の歴史に学ばなければいけない。 その「木語」という論評は、中国ウオッチャーである金子秀俊客員編集委員ならではの、要旨次のような指摘である。 すなわち「村山談話」が閣議決定された1995年という年は、戦後50年という節目の年であり、中国、韓国にとって日本の戦争責任問題で江沢民主席と金泳三大統領が共闘した年だった、という。 しかも、その年は日本がAPEC大阪を主催する年だったという。 だから、日本はAPECを成功させるためにも村山談話を出して、日本の歴史認識を明らかにせざるを得ない政治的事情があったというのだ。 そして金子氏は言う。 それから19年たって、今年の11月は、江沢民を継承する習近平がAPECを北京で主催する、と。 来年の2015年は対日勝利70周年であり、習近平は歴史認識に関する中韓の共闘を持ち掛け、朴大統領はそれに応じた、と。 いまは、1995年の村山談話を出さざるを得なかった時より、はるかに日本の置かれている国際情勢は厳ししくなっている。 中国の国力と自信は、はるかに強くなっている。 あのころの危機感をいまこそ忘れてはいけない。 中韓の「戦後70年」謝罪要求外交に振り回されないよう、村山談話を大切に扱うべきだ、と金子氏は安倍首相に助言しているのである。 金子氏は私と違って対中国、韓国に対する外交ではタカ派だ。 そのタカ派の金子氏でさえ、中韓共闘を甘く見るなと警告しているのでる。 歴史認識問題でいたずらに中国、韓国を刺激する愚をおかすな、と言っているのである。 安倍首相はこの「木語」を心して読み、対中包囲網などという喧嘩を売るような言動は即刻止めるべきである。 それが出来ないようでは手痛いしっぺ返しを覚悟してAPECに行かねばならない。 来年に向けて中韓との関係がさらに厳しくなる事を覚悟しておかなければならない。 そしてそれは日本にとっても、安倍政権にとっても決してプラスにはならないのである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)