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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「新防衛計画の大綱」づくりがここまで進んでいたとは驚きだ
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン 2010年7月26日発行 第35号 ■        ===============================================================          「新防衛計画の大綱」づくりがここまで進んでいたとは驚きだ                                           ================================================================   きょう7月26日の報道で注目されるのは、何と言っても読売新聞のスクープだ。  「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長=佐藤茂雄・京阪電鉄 最高経営責任者)は来月(8月)上旬にも菅首相に報告書を提出するという。  その全容が25日判明したと言うのだ。  私は7月23日のメルマガ30号で、月刊「世界」8月号の「軍事大国化に 目を瞑るメディア」という記事に注目して、新防衛計画の大綱づくりはどう なっているのか、と書いた。  そうしたら25日の産経新聞が、政府は中国海軍を意識したミサイル迎撃 システム艦の増強や武器輸出三原則の見直しを進めているというスクープを 掲載した。  それを読んだ私は25日のメルマガ33号で、新防衛計画は危うい、と すかさず警鐘を鳴らした。  今度は今日26日の読売新聞のスクープだ。  ホップ、ステップ、ジャンプ。まるで私のメルマガを読み、私の懸念をあざ 笑うかのように、いたちごっこの先を行くようなメディアのスクープ報道の連続 である。  それにしてもこの読売新聞が入手したという安保懇報告書全文の要旨は驚く べきものだ。  防衛力強化、軍事装備共同開発の解禁、日米同盟の世界規模への展開、 集団的自衛権に向けた憲法解釈拡大、テロとの戦いと北朝鮮、中国の脅威に 対するニ正面作戦、などなど。  これまで自民党政権が狙ってきた事の集大成である。米国の思い通りである。  なんの事はない。メディアは、軍事大国化に目を瞑るどころか、政府から 情報をもらって軍事大国化作りに加担しているのだ。国民への情報操作である。  ご丁寧にも26日の読売新聞はその社説の中で、東アジアの平和と繁栄のため に日米連携して中国と対抗せよとダメ押ししている。  さすがにその社主(正力松太郎)がCIAの手先だった新聞社だけの事はある。  そもそもこの安保懇は鳩山政権下で平野官房長官が懇意にしている大阪の 財界人を座長に据え、そのメンバーを対米従属者ばかりで固めたものだ。  鳩山首相、平野官房長官が迷走の末に去り、菅政権がそれを引き継いだ。  しかし考えても見るがいい。  鳩山政権は普天間基地問題に忙殺され、それを引き継いだ菅政権は参院選と その敗北によりマヒ状態が続いている。  要するに安保懇と言う名の対米従属一派(外務・防衛・財界・御用学者)に日本 の将来の防衛計画を丸投げして出来た報告書なのである。  民主党政権は誰が見ても統治能力がなくなっているのに、メディアの報じる世論 調査では大多数の国民が菅首相の続投を望んでいるという。  出来すぎだ。対米従属者たちにとってはこれほど都合のいい首相はいないという ことだ。  それにしても護憲政党は何をしているのだろう。  安保懇報告書が提出されるのは8月はじめだというからもうすぐだ。  無気力政局と猛暑の上に、お盆休みである。  国民が気づかない間にこの国の将来が決まってしまう。  今こそ「さらば日米同盟」をめぐって賛否両論が起きるべきなのに、すっかり 封印されたままである。                                    了                                                                                         ≪メルマガに関する問い合わせは、info@foomii.com へ直接ご連絡願います≫                                        お知らせ 「さらば日米同盟」の出版記念講演を、政治評論家の森田実さんの 特別参加を得て次の要領で行ないます。  13:35-14:00 天木直人「出版の意図を語る」  14:05-14:45 森田実 「特別講演」         休憩  15:00-16:00 天木直人・森田実対談(司会天木)  16:00-17:00 聴衆との応答(司会天木) 日時 8月8日(日)    午後一時開場 場所 赤坂区民センター大ホール    港区赤坂4-18-13    地下鉄銀座線・丸の内線 赤坂見附駅 A出口徒歩10分    大江戸線・半蔵門線 青山一丁目駅  4番出口徒歩10分 参加 無料(予約の必要はありません。直接会場へお越し下さい)。 (連絡先:春田 090-2415-7617 u12u9lo6@image.ocn.ne.jp                 ユー12ユー9エルオー6)             

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