□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年7月25日発行 第33号 ■ =============================================================== やはり菅民主党政権下で準備されている新防衛計画は危うい ================================================================ 7月23日のメルマガ第30号で、私は月刊誌「世界」8月号のメディア 批評「軍事大国化に目を瞑るメディア」を引用し、菅直人民主党政権下で準備 されている新防衛計画の大綱について、国民に何も知らされていない危険性を 書いた。 偶然にもその危惧が当たっていた事を証明する記事を7月25日の各紙に 見つけた。 私のメルマガがいかに正鵠を得ているかという事を自己宣伝しながら、しかし 暗澹たる気持ちでこのメルマガを書いている。 7月25日の産経新聞は一面トップで新防衛計画の大綱の骨子をスクープした。 そのスクープ記事の目玉は、中国海軍の動きに対抗し、海上自衛隊の潜水艦を 現在の18隻態勢から20隻態勢に増強するという点である。 隻数を増やす事は、1976年に初めて防衛大綱を策定して以来のことである という。 同じく7月25日の東京新聞、毎日新聞は、米国と共同開発している海上配備 型迎撃ミサイル(SM3)の第三国への供与を認める方向で政府が調整に入った、 と大きく報じた。 しかもこれが米国の要請に踏まえた対応であるという。 明らかな武器輸出三原則の変更である。 この報道が事実であるなら、新防衛計画の大綱にはそれを明示した上で国民の 了解を得なければならない。 これらの報道が自民党政権下においてなされたのであれば、間違いなく国会で 大きな論争点となるはずだ。 たとえ民主党の安保政策が自民党のそれと類似しているとしても、政権奪取の ために論争を挑んだに違いない。 ところがその民主党が政権を取った。 政権を取って自民党政権と同様の日米軍事最優先政策をはじめた。 民主党政権との連立をしたくてたまらない社民党は、安保論争を決して 行なおうとはしない。 菅民主党政権の最大の罪は、この国から安保論争を封じてしまう事だ。 気がついたらこの国は、憲法9条を棚上げにしたまま、いつしか再軍備国家に なっているのかもしれない。 私が政界大再編を期待する理由がそこにある。 保守大連立の前で、護憲勢力がいやでも結束しなければならない、そのような 危機的状況が来なくては、護憲政党も、国民も、覚醒しないのではないか、と 本気で思っている。 了 ≪メルマガに関する問い合わせは、info@foomii.com へ直接ご連絡願います≫ お知らせ 「さらば日米同盟」の出版記念講演を、政治評論家の森田実さんの 特別参加を得て次の要領で行ないます。 13:35-14:00 天木直人「出版の意図を語る」 14:05-14:45 森田実 「特別講演」 休憩 15:00-16:00 天木直人・森田実対談(司会天木) 16:00-17:00 聴衆との応答(司会天木) 日時 8月8日(日) 午後一時開場 場所 赤坂区民センター大ホール 港区赤坂4-18-13 地下鉄銀座線・丸の内線 赤坂見附駅 A出口徒歩10分 大江戸線・半蔵門線 青山一丁目駅 4番出口徒歩10分 参加 無料(予約の必要はありません。直接会場へお越し下さい)。 (連絡先:春田 090-2415-7617 u12u9lo6@image.ocn.ne.jp ユー12ユー9エルオー6)
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)