□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年7月15日発行 第19号 ■ ───────────────────────────── 消費税増税を争点に総選挙をやってみろ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 参院選後のさまざまな動きを見るにつけ、この国の政治とそれを めぐるメディアの危機感のなさを痛感する。国民から乖離している 事を思い知らされる。 臨時国会も民主党の代表選挙も来年度予算の編成も、今すぐに 行なうべきなのに、9月だという。 それまでの2ヶ月もの間、彼らの都合で国民とは無関係の政局騒動が くりひろげられ、メディアがそれを連日報道するということだ。 気が遠くなるほどの緩みだ。 それが彼らの仕事なのだ。そんな事をしながら720余名の国会議員が 税金をむさぼり、官僚やメディア関係者が高給をもらうのだ。 その一方で、大多数の国民は将来に不安をかかえたままその日暮らしの 勤労に身も心もすり減らしている。 どう考えてもおかしくはないか。 どうしても解せない一つに、参院選で菅民主党政権が大敗した理由は 消費税増税を言い出したからではないという論調が跋扈している現実がある。 もはや菅首相自身がその非を認め、お詫びを始めたというのに、である。 すべてのメディアがそうだが、中でも朝日新聞は突出している。 たとえば民主党の敗北が決定した翌日(12日)の社説で朝日新聞は 「消費税から逃げるな」とこう訴えていた。 「・・・膨大な赤字財政を放置できない事は明らかだ。議論は早急に 始めなければならない。それが、2大政党があえてそろって負担増を訴えた 今回の(選挙の)意義を生かす道でもある・・・」 そして15日の朝日新聞「民主党 挫折の先 下」で述べられた原真人 論説委員の次の主張である。 「崩壊する社会保障を立て直し、国民の安心を取り戻す・・・ためには、 消費増税を軸とする税制改革がどうしても避けられない・・・」 これはほとんど脅しであり洗脳である。 こうして世論調査の数字がどんどんと「消費税やむなし」に傾き、保守 大連立という名の反国民的大政翼賛会政治へと突き進んでいく。 しかし、そうはならない。国民は馬鹿ではない。 やれるものならやってみればいいじゃないか。 どうせこのままいけば政局は行き詰まり、国民生活は深刻になって怒りが 政府と政治家に向かう。解散・総選挙が避けられなくなる。 その時こそ消費税増税を正面から対立軸にして、政治家が国民に信を 問えばいいのだ。メディアがそれを政治家に急がせばいいのだ。 消費税増税を唱える政党は自分たちが正しいと思えば受けて立てばいい。 今度こそ「自分たちが勝てば直ちに消費税増税を行なって財政再建を図る」 と公約して選挙を戦えばいい。メディアはそんな政党を支持すればいい。 その時消費税に断固反対する政党が現れればいい。 何があっても消費税増税は間違いだ、予算を増やさなくても重点政策を シフトすることにより日本再建は可能だと訴える政党が現れて、明確な 対立軸を国民に提示すればいい。 政局の空転による時間の浪費より、国民のための政治を実現することだ。 政治家や政党にとっては、選挙は大きな負担だろう。 しかし一般国民にとっては投票所に足を運ぶだけである。何度でも、 いつでも、選挙を行なえばいい。 選挙のたびごとにおかしな政党や政治家が淘汰されことになる。 選挙のたびごとに彼らの掲げる政策がどんどんと国民に近づいていく。 消費税論議を繰り返へし、世論調査を繰り返すよりも、いますぐ消費税 増税の是非を国民に問えばいいだけの話である。 了 ≪メルマガに関する問い合わせは、info@foomii.com へ直接ご連絡願います≫ 出版記念会のお知らせ 「さらば日米同盟」の出版記念講演を、政治評論家の森田実さんの ご参加を得て以下の通り行ないます。 日時 8月8日(日) 午後一時開場 場所 赤坂区民センター大ホール 港区赤坂4-18-13 地下鉄銀座線・丸の内線 赤坂見附駅 A出口徒歩10分 大江戸線・半蔵門線 青山一丁目駅 4番出口徒歩10分 参加 無料(予約の必要はありません。直接会場へお越し下さい)。 (連絡先:春田 090-2415-7617 u12u9lo6@image.ocn.ne.jp ユー12ユー9エルオー6) なお講演会の概要については次のURLを参考にして下さい。 http://d.hatena.ne.jp/Takaon/20100702
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)