□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年7月10日発行 第13号 ■ ───────────────────────────── 日米同盟の是非を掲げた政界再編は起きるのだろうか ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今度の選挙で隠された最大の問題が普天間基地問題であった。 さすがにこの事は多くの新聞が書いている。 なにしろ誕生したばかりの革命政権の首相を辞任に追い込んだほどの 大きな問題である。 しかもその問題は本質において何も解決していない。 沖縄住民も国民である。その国民の声より米国との関係を優先して 問題を片付けようとしたのだ。 なぜ選挙の争点にならないのか、誰が見てもおかしい。 だから権力に迎合する大手新聞も書かざるをえないのである。 しかも沖縄では日米合意に反対する動きがおさまらない。 沖縄県議会は9日、日米共同声明の見直しを日米両政府に求める決議 と意見書を全会一致で可決した(10日毎日新聞など)。 その少し前の2日には、伊波宜野湾市長が、危険を放置したまま普天間 飛行場を米国に提供し続けるのは憲法違反であると国を訴える意向を示した。 これは尋常なことではない。普天間問題は選挙後には間違いなく 政治問題となる。 それにもかかわらずなぜ普天間問題が争点にならないのか。 それは国政を預かるどの政党、政治家も本気で争点にしたくないから である。 なぜ争点にしたくないのか。それは普天間問題を突き詰めていけば日米 同盟是か非かという根本問題に行き着かざるを得ない。 そしてまさしく日米同盟を正面から論じることを皆避けてきたのだ。 対米従属が党是の自民党と、米国に嫌われては政権維持ができないと 悟った民主党は、いまや日米同盟深化で完全に一致した。 参院選後の混迷する政局でキャスティングボートを握りたい少数政党は、 日米同盟反対を明言するはずはない。 辺野古反対で一致しているはずの社民党と日本共産党は、共闘するどころ か沖縄で対立候補を立てて、みすみす自民党候補者を勝たせようとしている。 皆それぞれ問題を抱えている。国民に説明できない理由がある。議論を 封じ、問題を先送りするしかないのだ。 そう考えた時、日米同盟の是非を対立軸にした政界再編は不可能に近い と思われる。 果たして日米同盟の是非を対立軸とした政界再編は起きるか。 針の穴を通すぐらい困難なこの政界再編が起きるとすれば、それは 小沢一郎みずからが先頭に立って行動を起こす時だ。 何も私のように正面から「日米同盟反対」と言う必要はない。 沖縄住民のために米国と再交渉すると言えばいいのだ。 その一言が沖縄住民を勇気付け、本土の国民を覚醒させ、結果的に米国を 追い込む事になる。 それは命がけの政治行動だ。 しかし小沢一郎という政治家が今後も政治家であり続ける意味があると すればそれしかない。 私の小沢一郎に対する評価はそれで定まる。 了 ≪メルマガに関する問い合わせは、info@foomii.com までお願いします。≫ 出版記念会のお知らせ 「さらば日米同盟」の出版記念講演を、政治評論家の森田実さんの ご参加を得て以下の通り行ないます。 日時 8月8日(日) 午後一時開場 場所 赤坂区民センター大ホール 港区赤坂4-18-13 地下鉄銀座線・丸の内線 赤坂見附駅 A出口徒歩10分 大江戸線・半蔵門線 青山一丁目駅 4番出口徒歩10分 参加 無料(予約の必要はありません。直接会場へお越し下さい)。 (連絡先:春田 090-2415-7617 u12u9lo6@image.ocn.ne.jp ユー12ユー9エルオー6) なお講演会の概要については次のURLを参考にして下さい。 http://d.hatena.ne.jp/Takaon/20100702
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)