□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年7月6日発行 第6号 ■ ───────────────────────────── 参院選挙後の小沢一郎の動きに注目したい ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今度の参院選挙について読者から意見を求められることがある。 私はメルマガではつとめて選挙の話題を避けている。それには いくつかの理由がある。 メルマガの目的は公開情報を読み解いて真実に迫る事である。 根拠なく自分の意見を述べてみても意味はない。 それに選挙となると皆それぞれの思い込みがある。特定の政党と 直接利害関係のある者はもちろんだが、そうでない者も選挙となると 強いこだわりを示す。だからまともな議論が通用しない。 だから選挙や政局については書かないがこれだけは書いておきたい。 後々になって振り返ってみたいからである。 私は、菅民主党政権が勝っても負けても、そしてどのような議席数 で勝っても負けても、選挙後は政局は政界再編に向かって動き出すと 思っている。 問題は政界再編の中身だ。 残念ながらどのような政界再編が起ころうとも、それはいわゆる 保守政党の連立になると思う。 すなわち、一方において経済成長を掲げた増税政策が、そして他方に おいて日米同盟深化の名の下で進められる対米従属政策が、保守連合の 政権によって進む。そして大方の国民はそれを仕方なく受け入れ させられる。 最悪の政治状況だ。菅直人という政治家が政権をとってしまった最大の 罪はこれである。 しかし考えてみれば、色々な局面があったがこれが戦後65年の日本の 政治の行き着く先なのかもしれない。 果たしてそのようなシナリオを覆す道は残されているのか。 あるとすれば、そのような保守連立的の動きに明確な対立軸を示して 立ち上がる指導者が現れるかどうかである。 しかもその指導者は左翼的な立場からではなく、保守、現実主義的な 立場から現れなければならない。 今の政治家の中でそれができる政治家は小沢一郎しかいない。 小沢一郎がそういう器量のある政治家かどうか私は知らない。その覚悟が 小沢一郎にあるかどうかも知らない。 しかし、私はそれを勝手に期待する。 日本の政治が活性化するためには、今の菅直人民主党政権、つまり菅、 仙谷、岡田、前原、枝野、が進めようとする自由主義経済優先の強者の 政治に対し、明確な対立軸が示されなければならないと思う。 そしてその対立軸は消費税増税反対だけでは不十分である。 避けては通れない普天間問題をきっかけに、沖縄の声を米国の伝え、 日米合意を見直すと主張する対米自立の平和外交を訴える事ができるか どうか。政界再編の鍵はここにある。 実のところ私は6月17日に、発売前の「さらば日米同盟」を持参して 小沢一郎の側近政治家を訪れた。 そして訴えた。小沢一郎に復権の意思があるならば、憲法9条を掲げた 対米自立の平和外交を明言し、みずから政界再編の先頭に立ってもらいたい、 と。 思えば大それた事を図々しく言ったものだ。小沢側近の政治家はよく 面会に応じてくれたものだ。そして私の話を我慢して一時間も聞いて くれたものだ。 果たしてそのメッセージは小沢一郎に伝わるのか。伝わったとして、 小沢一郎がそれに反応を示すのか。それはもちろんわからない。どちら かと言えば私は悲観的だ。 しかし、日本の政治が活性化するのはそれしかない。 何よりも小沢一郎という政治家が復権を考えるならそれしかない。 権力闘争や私怨のための復権では話にならない。たとえそうでなくても、 国民を奮い立たせる明確な政策の対立軸を提示しなければ国民の理解は 得られない。 沖縄県民を、そして日本国民を、米国の軍事占領から解放する。それを 訴えた時初めて、政治家小沢一郎の復権の大義名分が成り立つ。 そのような政界再編が起こらない限り、私は参院選はおろかその後の日本 の政治に期待も興味も持てないのである。 了 ≪メルマガに関する問い合わせは、info@foomii.com までお願いします。≫ 出版記念会のお知らせ 「さらば日米同盟」の出版記念講演を、政治評論家の森田実さんの ご参加を得て以下の通り行ないます。 日時 8月8日(日) 午後一時開場 場所 赤坂区民センター大ホール 港区赤坂4-18-13 地下鉄銀座線・丸の内線 赤坂見附駅 A出口徒歩10分 大江戸線・半蔵門線 青山一丁目駅 4番出口徒歩10分 参加 無料 (連絡先:090-2415-7617 u12u9ℓo6@image.ocn.ne.jp 春田)
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)