□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年6月21日発行 第216号 ■ ───────────────────────────── 民主党の天下とブランデーの味 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 菅直人政権になってから、てきめんに政治番組がつまらなくなった。それは政治に 対立軸がなくなったからだ。 政権交代の前は自民党対民主党という対立軸があった。 政権交代の後は復活を狙う自民党とそれを阻止する民主党という構図があった。 それはやがて小沢一郎の金の問題をめぐって自民・検察・メディア対小沢という対立軸に 代わって、政治番組の対立軸の中心となった。 ところが小沢・鳩山の電撃辞任以降は、そのような対立軸がなくなった。 本来ならばメディアはもとの反権力に立ち戻って菅直人新政権を批判的に見なければならない。 ところが決してそうなっていない。あたかもメディアはどう対応していいか、とまどっている がごとくだ。 なぜか。 一つは、野党がダメだからである。 谷垣自民党が菅民主党を批判すればするほど自民党のダメさ加減が増幅される。 あらたに乱立した保守新党はまったく訴求力がない。 本来ならば菅民主党の受け皿になるはずの日本共産党や社民党が、このチャンスにもかかわらず 無党派層をひきつけられないでいる。 しかし、もう一つの理由は、菅民主党政権がマスコミが主唱する政策を忠実に実施している からである。 財政再建と日米同盟重視を掲げている菅直人政権をメディアは叩きようがないのだ。 その中でも消費税増税反対はさすがに国民の反発が強いと見えて批判している。 しかしもう一つの政治テーマである普天間基地問題と日米同盟についてはまるで批判がない。 それを象徴する出来事をきょう6月21日のニュースで見つけた。 労働組合の親分である連合が菅民主党政権の外交・安保政策を高く評価したというのだ。 ここまで露骨な対米従属政策を掲げ、沖縄住民を切り捨てる政策を強行しても、その外交・安保 政策を、安保闘争の先導者であった労働組合が評価する時代になったのだ。 そんな中でも日本共産党と社民党はそっぽを向いたままである。日米同盟反対で一致できない。 日米安保条約改定50周年の2010年に、日本の政治状況がかくも不毛になるとは誰が予想 しただろう。 6月20日の東京新聞の社説は次のような文章で始まっていた。 「旧安保条約を改定した新条約が国会で自然承認となったのは1960年6月19日午前零時です。 その瞬間を、岸首相はデモ隊が取り巻く首相官邸で、弟の佐藤栄作蔵相(後の首相)とブランデーを 傾けながら迎えました・・・」 本来は衆院を解散して国民に信を問うべき消費税増税を、街頭のヤジ演説で訴えて事足りるとしている 「市民派宰相」菅直人。 彼は政権を担わせる人物ではなかった。野党党首として権力批判をするのが似つかわしい人物であった。 その菅直人は、その同じ演説の中で、10年ぐらいは頑張ると「長期政権」を宣言したという。 酒量が多いとされる菅直人は同じく酒量の多い伸子夫人とブランデーを傾けているのだろうか。 私は菅直人の外交・安保政策だけは許すことは出来ない。それは日本の将来を危うくさせるからだ。 鳩山首相の対米外交に助言を与えるつもりで書いた「さらば日同盟」は、今では菅直人対米従属政策 に対するこの上ない批判書となった。 _______ お知らせ 6月21日に講談社から発売予定の「さらば日米同盟」については、その概要が以下のURLで 見ることが出来ます。 http://www.amakiblog.com/img/pr2.jpg お知らせ 2009年1月から「まぐまぐ」社を通じて配信してきました有料メールマガジン 「天木直人のメールマガジン」は6月30日を持って終了します。 7月1日からはあたらしく設立されたfoomii と言うメルマガ配信会社から次の通り改善して配信します。 ・月額525円を月額500円とする(消費税を発行者負担とする)。 ・携帯電話(モバイル)でのメルマガ購入/購読を開始する。 ・メール配信に加えて、過去アーカイブのWebページ閲覧を始める。 引き続き、「天木直人のメールマガジン」を購読していただける読者におかれては、下記URLより、 あらたにメルマガの登録(申し込み)をお願いします。登録(申し込み)は随時受け付けています。 ◎天木直人のメールマガジン ─ 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説 http://foomii.com/00001/ フーミーのホームページを開いて私の顔写真をクリックすると案内の画面が出てきます。 (1) 【購読手続きへ進む】ボタンを押下し、「新規ユーザー登録」より、 ・メールアドレス ・パスワード ・クレジットカード番号(有効期限) を入力後、入力した情報を確認。 (2) 間違いがない場合、「購入する」をクリックして申込完了。 それでは7月1日から、気分を一新してあらたなスタートをさせていただきます。 これまでのご購読ありがとうございました。
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天木直人(元外交官・作家)