□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年6月20日発行 第215号 ■ ───────────────────────────── 相撲賭博事件の裏にあるもう一つの弱いものいじめ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 相撲賭博事件が報じられるたびに、弱いものいじめだと思えと私は書いた。 賭博をした力士よりも、力士を食い物にした暴力団の悪のほうがはるかに悪質だ。 みずからも賭けマージャンをしている警察幹部の責任は問われないのか。暴力団と癒着している 警察組織の責任は問われないのか。 賭博を合法化してその上がりで天下っている官僚たちの不正義は見逃されていいのか。 そう私は書いた。 あたかも時代劇のドラマを見ているようだ。 現実の世の中では水戸黄門や遠山の金さんは現れないのか。 事業仕分け人はいても必殺仕置人はいないのだろうか。 そう思っていたら、もう一つの弱いものイジメを見つけた。相撲協会内部の弱いものいじめと いじめられた弱いものの捨て身の抵抗である。 こういう背景が今度の事件の裏にあったのだ。 6月20日の東京新聞「話題の発掘」で月刊「創」編集長の篠田博之氏が次のように書いていた。 今度の事件を最初にスクープしたのは週刊新潮5月27日号だったが、その後発覚して行く様々な事実は、 そのスクープ記事どおりに展開していった。 これは週刊新潮の取材力のたまものであるが、それだけではない。内情を公にしたほうがよいと考えた 覚悟ある情報提供者がいたということだ、と篠田氏はまず指摘する。 恐喝を受けながら賭博発覚を恐れて警察にも届けられない進退窮まる立場に追い込まれた力士たち。 その弱みにつけ込んだ悪をこれ以上放置してはいけないと、大問題になることを覚悟の上で告発した 相撲関係者がいたと篠田氏は続ける。 私が注目したのは、その後に続く篠田氏の指摘である。 気になるのは、今回の騒動に登場する賭博汚染者は今年2月の相撲協会理事選挙で貴乃花親方を推した グループの関係者ばかりだ、相撲協会内部の確執が今回のスキャンダル発覚にかかわっている可能性がある、 と篠田氏は指摘する。 そして篠田氏は、週刊新潮の最新号6月24日号に掲載されている相撲関係者の言葉として、貴乃花一派は、 自分たちだけが悪者にされて終わらせてはならない、徹底調査をして責任の全貌を明らかにすべし、と声を上げる はずだ、という見方を紹介している。 最後に篠田氏は、「角界の構造に切り込むような検証が、今後必要なのかもしれない」という言葉で この記事を締めくくっている。 私だったらもっとはっきりと書く。 弱者の悪が裁かれるのであれば強者の悪もまた公正に裁かれなければならない、と。 いや強者であるが故に、その悪はより重罰を持って裁かれなければならない、と。 私の言う強者とは、相撲協会を牛耳っている多数派であり、それと結託した暴力団であり、そして すべてを知る立場にありながら見落としてきた、いや知っていながら見逃してきた、政府、官僚、メディア である。 _______ お知らせ 6月21日に講談社から発売予定の「さらば日米同盟」については、その概要が以下のURLで 見ることが出来ます。 http://www.amakiblog.com/img/pr2.jpg お知らせ 2009年1月から「まぐまぐ」社を通じて配信してきました有料メールマガジン 「天木直人のメールマガジン」は6月30日を持って終了します。 7月1日からはあたらしく設立されたfoomii と言うメルマガ配信会社から次の通り改善して配信します。 ・月額525円を月額500円とする(消費税を発行者負担とする)。 ・携帯電話(モバイル)でのメルマガ購入/購読を開始する。 ・メール配信に加えて、過去アーカイブのWebページ閲覧を始める。 引き続き、「天木直人のメールマガジン」を購読していただける読者におかれては、下記URLより、 あらたにメルマガの登録(申し込み)をお願いします。登録(申し込み)は随時受け付けています。 ◎天木直人のメールマガジン ─ 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説 http://foomii.com/00001/ フーミーのホームページを開いて私の顔写真をクリックすると案内の画面が出てきます。 (1) 【購読手続きへ進む】ボタンを押下し、「新規ユーザー登録」より、 ・メールアドレス ・パスワード ・クレジットカード番号(有効期限) を入力後、入力した情報を確認。 (2) 間違いがない場合、「購入する」をクリックして申込完了。 それでは7月1日から、気分を一新してあらたなスタートをさせていただきます。 これまでのご購読ありがとうございました。
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天木直人(元外交官・作家)