□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年6月18日発行 第213号 ■ ───────────────────────────── 中曽根大勲位にほめられた菅直人 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 私は、自民党は終わりだと思う。その理由の一つは、菅直人民主党政権を左翼政権だとしか 批判できないところにある。 このピント外れの民主党批判では、いくら大声をあげて叫んでも菅直人民主党政権を倒すこと など出来はしない。 それに比べて中曽根康弘元首相の菅直人評は見事だ。 6月17日の朝日新聞に菅直人を絶賛している中曽根元首相の聞き書きを見つけた。 「菅君は私が見るところ、市民的保守の政治家だ」 こういう書き出しから始まる中曽根大勲位の菅直人の評価は鋭い。 どこが菅直人の保守的なところか。それは自民党と協力して財政再建を唱えだしたこと、 国歌・国旗法の採択(1999年)に反対した彼が今では日の丸に敬礼し、君が代も奉唱するように なったこと、などだという。 権力をとれば自分の政治理念を実現するために自民党と一緒にやろうとしたことだという。 それを保守的だというのだ。こう中曽根大勲位は言っている。 そんな菅直人になってはおしまいだ。しかしその菅直人政権は手強い。 翻って中曽根元首相は自民党の体たらくをなげく。注文をつける。 すなわち、自民党が政権を取り戻すつもりなら、ウイングを左に広げ、「中道やや左」まで 包含するのがよい、という。具体的には、自民党の政策に社会保障や教育や福祉の充実、国際平和の推進 といった市民政策を入れるべきだという。 市民的保守の菅君が政権を取るという社会構造の新展開が起きたのだから、これに十分に対応しなければ いけない。ところが現実の自民党は菅直人民主党に対抗するのに「右」に向かおうとしている。それは大きな 間違いだ、という。 見事な分析と菅直人民主党政権への対抗策である。 それにももかかわらず、自民党も、乱立する反民主党の新党たちも、いずれも菅直人民主党の対抗軸に なり得ていない。 今度の選挙は民主党の大勝利となるだろう。 問題はその後だ。 自民党的なものを取り入れて日米同盟と新自由主義経済に向かって走る菅直人保守大連立政権の前に、 それを正面から否定する対抗軸がうまれてこないものか。 沖縄県民の声を背にして日米合意の再交渉を公約する対抗軸がうまれてこないものか。 経済的弱者の側に立って消費税増税に断固反対すると明言する対抗軸がうまれてこないものか。 それらが社民党や共産党のような左翼政党のみから出てくるのではなく、強者である保守勢力の中から 発せられる事にならないのか。 それを発するにふさわしい政治家は今の政治家の中では小沢一郎しかいない。 小沢一郎にそういう器量があるかどうかは知らない。おそらくそうではない。そうはならない。 しかし、小沢一郎が政治家であり続けようとすればそれしかない。それ以外の選択はない。 そしてその時こそ、菅直人保守民主党政権に対抗できるもう一つの国民政党ができる時である。 そういう小沢一郎を見てみたい。そういう政治局面を見てみたい。 その時の中曽根大勲位の意見を聞いてみたい。 _______ お知らせ 6月21日に講談社から発売予定の「さらば日米同盟」については、その概要が以下のURLで 見ることが出来ます。 http://www.amakiblog.com/img/pr2.jpg お知らせ 2009年1月から「まぐまぐ」社を通じて配信してきました有料メールマガジン 「天木直人のメールマガジン」は6月30日を持って終了します。 7月1日からはあたらしく設立されたfoomii と言うメルマガ配信会社から次の通り改善して配信します。 ・月額525円を月額500円とする(消費税を発行者負担とする)。 ・携帯電話(モバイル)でのメルマガ購入/購読を開始する。 ・メール配信に加えて、過去アーカイブのWebページ閲覧を始める。 引き続き、「天木直人のメールマガジン」を購読していただける読者におかれては、下記URLより、 あらたにメルマガの登録(申し込み)をお願いします。登録(申し込み)は随時受け付けています。 ◎天木直人のメールマガジン ─ 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説 http://foomii.com/00001/ フーミーのホームページを開いて私の顔写真をクリックすると案内の画面が出てきます。 (1) 【購読手続きへ進む】ボタンを押下し、「新規ユーザー登録」より、 ・メールアドレス ・パスワード ・クレジットカード番号(有効期限) を入力後、入力した情報を確認。 (2) 間違いがない場合、「購入する」をクリックして申込完了。 それでは7月1日から、気分を一新してあらたなスタートをさせていただきます。 これまでのご購読ありがとうございました。
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天木直人(元外交官・作家)