□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年6月14日発行 第209号 ■ ───────────────────────────── 韓国哨戒艇爆破事件のその後─番外編 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 月刊部文芸春秋7月号のジャーナリスト小武定彦氏による韓国哨戒艇爆破事件の背景については 昨日のメルマガで書いた。 それに加えてどうしても書き残しておきたい記述があったので番外編として読者に紹介したい。 それはまず、李明博大統領の迷走である。事件を知った直後の李明博大統領の対応は「冷戦時代の 考えは捨てろ」というものだったという。その大統領の意を受けて大統領府の当初の対応は 「北の仕業の可能性は低い」というものであったという。 それが、韓国メディアや世論の硬化を心配する青瓦台の高官たちに説得されて、「断固たる対応」という 言葉を使う事に同意したという。 そして犠牲になった兵士の名前を一人一人読み上げ涙を流したことにより支持率が急回復した。以降、 李大統領は急速に強硬論に傾いていった、という。 その結果、皮肉にも統一地方選挙に敗退し、いまでは北朝鮮との緊張緩和に再度方向転換しつつある。 そのような韓国の混乱を米国はどう見ていたのか。 どんどん強硬になる李大統領を不安視ししながら、「とにかく韓国のストレスを解消してやらなければ。 一致した行動を示す必要がある(米政府関係者)。」というものだった、という。 中東問題に追われる米国にとって最後まで韓国に付き合う気は米国にはない。韓国に付き合うことで 韓国の怒りを静める作戦だったというのだ。 そのような韓国、米国の動きの中で、外務官僚にまかせっきりの日本政府の対応はどうだったか。 当初、李大統領が「北朝鮮の関与」に慎重な姿勢を見せたから日本は警戒度を下げたという。米国が韓国に 歩調を合わせて当初動きを見せなかったことが日本を安心させた。 ところが韓国が北朝鮮関与の「決定的な証拠」を発表すると知らされ、出遅れ感を挽回するかのように 鳩山首相は「制裁の先頭に立つ」といきり立つ。 この迷走を小武氏は次のように書いている。 「・・・李大統領は沈没原因の調査に国際社会の参加を求め、同盟国の米国、国連安保理の常任理事国の英国、 中立国のイメージが強いスウェーデン、北朝鮮と国交を持つ豪州の4カ国が選ばれた。しかし、隣国であり、 無人の海底探査能力などに秀でた日本には声はかからなかった。又、日本政府も自ら名乗りを上げることをせず、 みすみすチャンスを逃した・・・米韓両国は外交面でこそ、日本の協力を求めているが、軍事面ではほとんど 情報を開示せず、議論を共にしようとはしていない。 半島有事の危機を目前にして、日本は蚊帳の外に置かれているのが現実なのだ」 新聞はこのような背景はまったく書かない。 しかしおそらく小武氏の解説は正しいと私は思っている。 _______ お知らせーメルマガ配信システムの刷新 2009年1月から「まぐまぐ」社を通じて有料メールマガジンの発行を行ってきましたが、 この配信は6月30日を持って終了し、7月1日からはあたらしく設立されたfoomii と言う メルマガ配信会社から配信することにしました。 改善点は次の通りです。 ・月額525円を月額500円とする(消費税を発行者負担とする)。 ・携帯電話(モバイル)でのメルマガ購入/購読を開始する。 ・メール配信に加えて、過去アーカイブのWebページ閲覧を始める。 2010年7月1日より配信を完全移行し、まぐまぐでのメルマガ配信は6月30日の配信以降は 停止となります。 読者の皆様はとくに解約の手続きをとる必要はなく、7月からの課金は自動的に 停止されます。 引き続き、「天木直人のメールマガジン」を購読していただける読者におかれては、下記URLより、 あらたにメルマガの登録(申し込み)をお願いします。登録(申し込み)は随時受け付けています。 ◎天木直人のメールマガジン ─ 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説 http://foomii.com/00001/ フーミーのホームページを開いて私の顔写真をクリックすると案内の画面が出てきます。 (1) 【購読手続きへ進む】ボタンを押下し、「新規ユーザー登録」より、 ・メールアドレス ・パスワード ・クレジットカード番号(有効期限) を入力後、入力した情報を確認。 (2) 間違いがない場合、「購入する」をクリックして申込完了。 それでは7月1日から、気分を一新してあらたなスタートをさせていただきます。これまでの ご購読ありがとうございました。 天木直人
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天木直人(元外交官・作家)