━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2018/01/02 たしかな野党共闘確立を妨害する本尊はCIA 第1935号 ウェブで読む:http://foomii.com/00050/2018010220351643320 EPUBダウンロード:http://foomii.com/00050-43882.epub ──────────────────────────────────── 民主主義の社会において常に気をつけておかねばならないのは、権力の暴走である。権力の暴走を防ぐために憲法が定められている。いかなる権力であろうとも、憲法の前には従順でなければならない。日本国憲法は第99条に次の条文を置いている。 第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。 憲法尊重擁護義務を国務大臣、国会議員に課している。憲法は政治権力の暴走を防ぐ最大の砦である。この考え方が立憲主義である。 そして、もう一つの権力暴走を防ぐ手段が権力の分立である。特定の者に権力が集中しないようにする。権力は相互に牽制し、権力の突出を防ぐ。このように考えられているが、安倍政治はこの根本を破壊している。憲法の砦も横暴に破壊している。日本国憲法が禁止してきた集団的自衛権の行使を安倍首相は勝手に容認した。本来は憲法改定の手続きが必要であるが、憲法を改定せずに、憲法の解釈を勝手に変えた。言語道断と言うほかない。そして、安倍首相は憲法に定められた人事権を濫用して、行政府のみならず、立法府および司法府をも支配してしまっている。さらに第四の権力と言われるメディアも、NHKの人事権を濫用することにより、支配してしまっている。権力の集中=安倍独裁が強まっている。 この事態を是正する唯一にして最大の方策は、国政選挙で安倍政権与党を敗北させることだ。選挙に勝って政権を樹立する。このことによってしか、現状を打破することはできないだろう。逆に、選挙に勝ち、政権を樹立しさえすれば状況を抜本的に転換できるはずだ。日本国憲法の構造上、行政権力=内閣の権能が突出している。議院内閣制では議会多数派の代表が内閣総理大臣に就任して内閣を作る。内閣総理大臣は行政権の長でありながら、立法府を支配し得る立場に立つ。また、最高裁長官ならびに判事の人事権を内閣が持つ。下級裁判所の人事を直接担うのは最高裁事務総局だが、最終的な決裁権限は内閣にある。さらに、NHKの最高意思決定機関である経営委員会のメンバーである経営委員の人事権も内閣総理大臣が握る。つまり、制度的に内閣総理大臣には突出した権能が付与されている。したがって、政治状況を刷新するには、国政選挙、とりわけ衆院総選挙に勝利して、政権を樹立することが何よりも重要になる。… … …(記事全文5,509文字)
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植草一秀(政治経済学者)