━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/04/13 検察の巨大犯罪をまったく報道しないマスメディア 第196号 ──────────────────────────────────── 野田佳彦内閣が強引に推進しようとしている原発再稼働にブレーキがかかり 始めた。 当然のことである。 福島の惨禍が大きく広がるなかで、核暴走事故の原因も特定できぬなかで、 新たに原発の再稼働が認めてよいわけがない。 泥縄で作成した安全基準など、科学的な根拠が皆無のものである。 原発稼働ゼロの状況が生まれ、夏のピーク時を原発稼働ゼロで乗り切れるこ とが実証されると、脱原発を求める声はますます拡大すると見込まれる。 この事態を回避したいというのが電力業界および原子力ビジネス利権複合体 の切実な声である。 有識者の見解のなかで、原発利用継続を主張する人々の大半は、何らかの形 で原子力利権複合体との関わりをもつ者である。 原子力利権複合体との関わりを持たない人々で、原発利用継続を主張する者 はほとんどいないのが現実である。 巨大な経費を投入して作ってしまった原子炉を使わないということになれば、 大きな損失が生まれる。また、年間2兆円規模に達する原子力関連産業の規模 が急激に縮小することは、関連産業に打撃を与えることも間違いない。 しかし、福島事故の惨禍を踏まえれば、そのような単純なそろばん勘定でこ の問題を考えることは適切でない。 まったく次元の異なる問題であるからだ。 日本の命運をも左右しかねない問題であることを踏まえて、少なくとも拙速 な対応を避ける必要がある。 最終的にどのような結論に至るにせよ、ここは立ち止まって、一度、原発稼 働ゼロの状況を作り出すことが必要だ。 消費増税の問題も国民生活の根源にかかわる重大問題である。財務省が実行 している言論統制活動であるTPRは、消費増税問題の争点化を避けようとの スタンスを示している。… … …(記事全文3,631文字)
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植草一秀(政治経済学者)