━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/04/11 野田首相にTPP・消費増税・原発再稼働決定権なし 第194号 ──────────────────────────────────── 元参議院議員で日本一新の会を主宰されている平野貞夫氏が、直近のレポー ト「『日本一新運動』の原点」104号に重要な指摘をされている。 これは、かねてよりの平野氏の持論でもあるのだが、 「民主」 という言葉への疑問である。 平野氏の解説の概略を記すと以下のようになる。 日本で「民主主義」と訳されている「デモクラシー」の語源は、ギリシャ語 のDemokratiaであり、Demos(人民)とKratia(権力) を結合したものである。 つまり、「人民の権力」という意味である。 ところが、明治期の日本が、このデモクラシー(原語:デモクラティア)を 「民主主義」と訳した。 平野氏はこれを誤訳だと主張されている。 平野氏は、デモクラシーを「民主主義」と訳したのは、多分、福沢諭吉であ ると考えている。 平野氏が誤訳だと考える最大の理由は、デモクラシーの意味する内容と、 「民主」という言葉の語源にさかのぼっての意味が矛盾することにある。 平野氏によれば、「民主」の語源について、 広辞苑は、 【民主】「中国では古く、民の主すなわち君主の意に用いた」 としているとのこと。 また、小学館の国語大辞典(全十巻)は、 【民主】「人民の支配者、君主」 とあるという。 つまり、語源論でいうと「民主主義=君主主義」となり、「デモクラシー」 の意味とはまったく異なることになる。 平野氏は、語源は、物事や事象の本質に影響を与えるものだと確信されてお り、「民主」という言葉の、語源とは異なる使用に強く異を唱えられている。… … …(記事全文4,940文字)
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植草一秀(政治経済学者)