━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/03/31 石川知裕氏秘密録音で暴露された検察巨大犯罪 第183号 ──────────────────────────────────── 大阪地検特捜部の元部長の大坪弘道(ひろみち)被告(58)と元副部長の 佐賀元明(もとあき)被告(51)が、大阪地検特捜部元検事の前田恒彦氏 (44)によるフロッピーディスク(FD)改ざんを隠蔽(いんぺい)したと される事件で、犯人隠避罪に問われた元特捜部長らを懲役1年6カ月執行猶予 3年とする有罪判決が3月30日、大阪地裁によって示された。 判決は「組織や自らの地位を守るために部下の不正を隠した」と指摘した。 判決はさらに、事件の背景に特捜部の「病弊」があったとして検察の体質を批 判した。 この判決に対して、無罪を主張した元部長らは判決を不服だとして即日控訴 した。 最大の争点は、元部長らが、厚生労働省元局長の村木厚子氏(無罪確定)に 対する捜査を担当した前田恒彦受刑者(44)=証拠隠滅罪で実刑=の改ざん 行為を認識していたかどうかだった。 東京地裁の岩倉広修(ひろみち)裁判長は、佐賀被告が2010年1月末に当 時の部下の携帯電話で前田元検事と会話をした際に改ざんの報告を受けたこと を事実認定した。 佐賀被告は公判で電話の相手は別の検事だったと主張したが、別の検事が公 判で「佐賀副部長が改ざんを知らされたのをそばで聞いた」と説明したと証言 した。東京地裁はこの証言について「虚偽を述べる利害関係はない」と指摘し、 現職検事たちの証言を信用できるとして、元部長らが証拠改ざんの事実を認識 していたと判断した。 順当な判決だと言える。 問題は、こうした証拠改ざんや犯人隠避などの犯罪が、偶発的、あるいは例 外として発生したのかである。 この問題を考えるのに最適な事例が、足元で露見している。 関係者による証拠隠滅や口裏合わせなどを防ぐために、一刻も早い犯罪の摘 発と強制捜査が求められているが、東京地検の行動はあまりにも遅い。 元東京地検特捜部検事の田代政弘検事が、うその捜査報告書を作成し、これ を東京第五検察審査会などに提出していたことが判明している。 東京第五検察審査会はこのうその捜査報告書を基に、小沢一郎民主党元代表… … …(記事全文5,643文字)
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植草一秀(政治経済学者)